▼ウェブメディアには、過去の記事を簡単に検索、閲覧できる利便性がある。記事を読む立場はもちろん、書く立場にとっても便利だ。過去の事実を認識することで書き切る自信を深めて読者をリードすることができるからだ。

▼4月末、BCNが提供するウェブメディアのBizlineで、ある記事のアクセスが急増した。2007年11月掲載のイーパーセルという企業の記事だ。同社は、1年ほど前に米グーグルや米ヤフーなど、米国のネット関連企業13社に対して、特許を侵害されたとして訴訟を起こした。その事実を『週刊ダイヤモンド』が記事で取り上げたことによって、イーパーセルの社名は一気に広まり、多くの方々がネットで検索して、BCNの過去記事にたどり着いたというわけだ。

▼イーパーセルは、大容量ファイルをセキュアな環境で送受信するサービスを販売するIT企業で、1996年にボストンで米国企業として産声をあげた。その後、日本企業になって、現在従業員は10人前後。そんな小さな企業が、米国の超大手ネット企業と真っ向から勝負しているわけだから、同社の北野譲治社長が注目されるのも当然だ。（直）