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内田洋行がNTTデータビズの基盤を採用した意味

2012/07/24 15:26

 内田洋行が、クラウド対応のERP(統合基幹業務システム)「スーパーカクテルInnova」を発表し、中堅企業市場に本格的に参入しました。アプリケーションの開発基盤にはNTTデータビズインテグラルの「Biz∫APF」を採用し、SOA(サービス指向アーキテクチャ)基盤によるシステム・データ連携をはじめ、多通貨・多言語、マルチテナントクラウドに対応します。

 「スーパーカクテルシリーズ」は、年商50億円未満の中小企業向け販売管理システム市場で高いシェアをもつ製品です。一方で、「少し背伸びして、IT投資の余力がある年商100億円以上の企業に向けて販売してきた」(江口英則執行役員)という経緯もあります。そして、確実に“勝ちに行く”ために決めたのが、中堅企業向けにフォーカスした製品を新たに開発することでした。

 NTTデータビズインテグラルは、設立以来、国産パッケージベンダーのノウハウを結集して「Biz∫」のラインアップを充実させてきました。内田洋行による「Biz∫APF」の採用は、競争が激しい中堅企業市場を主戦場とする新たなパッケージベンダーとの提携を予感させます。中山義人社長は、「ベンダーの名前はまだ出せないが、引き合いはある」と明かしました。

 ERP業界を取り巻く状況は、急速に変わりつつあります。パートナービジネスはこれまで以上に重要度を増しており、ERPベンダーには、エコシステムを念頭に置いた事業モデルの構築が求められます。NTTデータビズインテグラルはRP業界では最後発で、パートナー支援や協業体制の構築に取り組み始めたばかりですが、エコシステムを志向しているという点で注目に値します。(信澤健太)

【記事はこちら】
内田洋行 「スーパーカクテル」にNTTデータビズインテグラルの基盤採用 中堅企業市場に本格参入
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.7.24」より
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