今年に入って、サイボウズのクラウドへのシフトが鮮明になっています。昨年11月21日にクラウドサービス「cybozu.com」の提供を開始して以来、利用企業は6か月で1000社を突破。9月26日に開催したクラウド事業に関するプライベートイベント「cybozu.comカンファレンスII」で、青野慶久社長は「(クラウドに対して)死ぬくらいの思いで投資している」と決意を語りました。
ですが、急激なビジネスモデル転換の裏では、パッケージビジネスで収益を上げてきたパートナーからはクラウドを不安視する声が上がっていました。クラウドへのシフトは、中堅・中小企業(SMB)市場でサイボウズを支えてきたパートナーの離反を招く可能性がありました。
「cybozu.comカンファレンスII」は、こうした状況を踏まえたものだったようです。内田洋行の朝倉仁志執行役員は、「2年前に青野社長から『クラウドをやる』と言われて、ちょっとネガティブな気持ちになっていた」と吐露しました。それでも、「パートナー関係をどうしようかと悩んだが、解決の糸口は顧客の声だった」として、引き続き、サイボウズのパートナーとしてクラウドビジネスに携わると宣言しました。
同日、サイボウズは、業務アプリケーション構築クラウド「kintone」の販売体制強化の一環として、「kintoneパートナー認定資格制度」の新設を発表しました。パートナー重視の姿勢を、改めてメッセージとして発信したイベントでした。(信澤健太)
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サイボウズ、イベントでパートナー幹部が登壇、クラウドビジネスの不安を払拭メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.10.2」より