世界中のどこへ行ってもネットにつながって仕事ができる現代において、いまだに残っている数少ないアナログ機器がFAXです。いったい、日本はいつまでFAXを使い続けるのでしょうか。
FAX文書は、検索ができないばかりか、出先での閲覧もままならない“前時代的”なもの。受け取った側は、所属部門の誰かが貴重な勤務時間を割いて、FAX文書の仕分け作業に追われることになります。
本紙編集部にも、大手電機メーカーからの重要発表が今でもFAXで送られてきますので、現実にはFAXをなくせそうにありません。複合機大手のキヤノンマーケティングジャパンによれば、国内企業のおよそ9割は「FAXは必要」と捉えているとのことです。
複合機メーカーは、実はここにビジネスチャンスを見いだしています。FAX文書を自らが提供するクラウドサービスへと転送。複合機に登録してあるアドレス帳をもとに自動的に仕分けを行い、外出先のユーザーのスマートデバイスで閲覧できるサービスを拡充させています。
イノベーションによって世の中を変革するのもビジネスのアプローチのひとつですが、逆に変わらないものを無理に変えようとせず、利便性のみを付加するアプローチも重要な要素と言えそうです。(安藤章司)
【前時代的なFAXをビジネスに変える取り組みはこちら】
キヤノンMJ、複合機とクラウドサービスを連携させるアプリケーションソフトを拡充メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.5.9」より