北斗七星

北斗七星 2013年4月29日・5月6日付 vol.1479

2013/05/09 15:38

週刊BCN 2013年04月29日vol.1479掲載

▼ビジネスでは、「選択と集中」という言葉がよく使われる。企業が自社の得意分野や、今後力を入れるカテゴリを選び出して、そこに経営資源を集中投下する経営手法を指す。IT業界でこの言葉を実践している代表的なITベンダーがIBMだ。中長期の戦略に合わないビジネスは、たとえシェアが高かったり利益が出ていたりしても、事業を売却してきた。プリンタやハードディスクドライブ(HDD)、パソコン事業の売却はその典型例だ。最近では、4月18日(米国時間)、x86サーバー事業をレノボに売却交渉中であることが報じられた。

▼日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の幹部は、IBMの戦略やHPとの違いについてこう語った。「『選択と集中』を進めるIBMに対し、私たちは総合ITベンダーを指向している」。また、「トータルポートフォリオのメリットを出せていないから、今のHPは苦しんでいるが、私たちの戦略が間違っていないことを、いつか必ず証明する」とも。

▼定めた分野に集中するIBMと、たとえ利益の捻出が困難でも総合ITにこだわるHP。同じ歩みを途中まで進めてきたIT業界のリーダー2社が、ここ数年でまったく違う道を走り始めている。(鈎)
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