今日のひとことWeb版

NTTドコモのジレンマ

2013/12/04 15:26

 9月20日、iPhone 5s/5cで、NTTドコモがiPhoneの販売に乗り出しました。キャリア主導の機種開発ができないiPhoneの取扱いに乗り気ではなかったドコモですが、「ドコモのネットワークでiPhoneを使いたい」というユーザーの声に応えて取扱いに踏み切りました。裏を返せば、加入者の流出が激しくなり、取り扱わざるを得ない状況に追い込まれたということです。

 加入者の流出については、発売から1か月が経過した10月末の時点では、思ったような効果は出ていません。BCNのアナリストは「限定的な効果しかない」と、現段階の状況を分析しています。

 NTTドコモは、苦戦の理由に「在庫が潤沢ではない」ことを挙げています。iPhone 5s/cの発売の時期、日本でiPhoneを最も売っているソフトバンクは米携帯電話大手のスプリント・ネクステルの買収であわただしく、iPhoneの販売に集中できなかったと聞きました。今も状況は同じだそうです。にもかかわらず、NTTドコモは攻勢をかけなかった。そこには、ずっと国産メーカーを中心に取り扱ってきたNTTドコモのジレンマがあるようです。(佐相彰彦)

【記事はこちら】
<BCNアナリストの店頭市況>限定的な効果しかないドコモのiPhone
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.12.4」より
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