北斗七星

北斗七星 2013年12月9日付 vol.1509

2013/12/12 15:38

週刊BCN 2013年12月09日vol.1509掲載

▼東京五輪の話題は、大阪では御法度だ。過去に夏季五輪招致で北京に敗れた悔しさからか、いやな顔をされる。「大阪市は世界で通用しない」。橋下徹大阪市長が東京五輪決定の報を受けて発した言葉が象徴的だ。

▼大阪の前回の招致活動では、IOCの視察団が渋滞に巻き込まれ、環境破壊や会場アクセスの悪さが得票数を下げたとされる。改めて大阪の街を歩くと、公共交通機関の案内が不親切なことや初乗り料金の高さ、バリアフリー施設の少なさなどが目立つ。

▼交通渋滞はトラフィック・マネジメントで解消に向かったが、依然としてインフラに問題がある。橋下市長は「五輪を呼べる力のある大阪にする」と豪語したが、自らの足で歩いて東京との違いを実感し、改善策を講じるべきだ。

▼五輪招致で不利に働く人口100人あたりの刑法犯罪件数は、大阪府が全国1位。米国では防犯カメラなどのビッグデータを解析し、犯罪防止に役立てている。スマートシティ構想では、交通渋滞の解消に効果がみられる。大阪には、全国で活躍する新興ITベンダーが多い。地元ITの力で世界に冠たる大阪をつくることができるはずだ。(吾)
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