『週刊BCN』の連載「営業マネージャーたちの最前線」では、IT企業で奮闘している営業リーダーに、営業現場での様子やマネージャーとしての工夫などを語っていただいています。ここでは、紙面では掲載しきれなかったエピソードをご紹介します。

*「営業マネージャーたちの最前線」本編は『週刊BCN』1511号(12月23・30日号)に掲載しています。ぜひご覧ください。

[語る人]

●profile..........
野村 文雄(のむら ふみお)
 1992年4月、大学を卒業後、システムインテグレータ(SIer)の日立ソフトウェアエンジニアリング(現日立ソリューションズ)に入社。営業本部市場開拓部に配属され、流通業を中心として、顧客の新規開拓に携わる。2010年に現職に就任した。

●所属..........
流通営業本部
ソリューションビジネス部(兼)グローバル営業本部
部長
●担当する商材.......... 産業・流通業向けの業務系パッケージ
●訪問するお客様.......... まだ取引していない流通業のお客様
●掲げるミッション.......... 流通業の特定領域で「No.1」になること
●やり甲斐.......... チームの一体感と部下の成長を感じるとき
●部下を率いるコツ.......... 表舞台に立たせ、自信をもたせること
●リードする部下.......... 20人

 ここでは、営業リーダーとしての自覚が芽生え、今の自分のベースができたエピソードを語りたい。2005年、私が部長代理だった当時のことだ。

 その年は中期経営計画を策定する年で、私も、私の部下である三人の主任も、部門方針の策定に大わらわだった。三人は私より早く当社に入社し、年齢も上。全員が私の先輩だ。三人と密にコミュニケーションを取り、それぞれの意見を取り入れながら方針をまとめ上げるのは、まだ管理職の経験が浅い私にとって、大きな挑戦だった。

 まず、三人との接し方に迷った。職位をかざして上から目線で話したらだめ。もちろん、命令口調で指示しても反発を買うだけだ。一方で、ご機嫌取りやお願いモードになっても、立場上おかしなことになる。迷った末に選択したのは、徹底して話し合い、係単位のミッションを明確に決めていく手法だった。

 私を含めて、それぞれがビジョンと進むべき方向や自分の果たす役割を宣言するための場をつくり、熱い議論を繰り広げながら合意するまで話し合った。その場では、私のチームを率いる強い思いが周囲にも伝わるようにリーダーシップを発揮し、情熱的なコミュニケーションを心がけた。こうして、全員が納得する方針を策定することができた。

 この経験から、話し合う基盤がしっかりしていて、真剣な自分の姿勢が伝わればビジョンは共有できる、仲間は必ずついてくると実感した。

 いまも、ビジョンの策定やアクションプランを作成するときは、時間をかけて部下たちと対面で議論している。最近は、部下を集めたディスカッションで、流通業の特定領域でシェアNo.1を獲るための戦略を話し合っている。

 家に帰れば、女の子二人と男の子一人のパパだ。会社と同じように家庭でもリーダーシップを発揮したいのだが、正直なところどうもうまくいかない。2014年はもうひと工夫して、家庭でもリーダーとして認められ、パパとしての目標を達成するよう頑張りたい。