『週刊BCN』の連載「営業マネージャーたちの最前線」では、IT企業で奮闘している営業リーダーに、営業現場での様子やマネージャーとしての工夫などを語っていただいています。ここでは、紙面では掲載しきれなかったエピソードをご紹介します。 *「営業マネージャーたちの最前線」本編は『週刊BCN』1513号(1月13日号)に掲載しています。ぜひご覧ください。

[語る人]

●profile..........
長濱 淳一(ながはま じゅんいち)
 1988年、慶應義塾大学大学院を修了して、野村総合研究所(NRI)に入社。受託調査研究や大規模システムの構築計画などに携わる。2001年、システムコンサルティング事業本部に配属。金融ITコンサルティング部長、戦略IT研究室長を経て、12年4月、NRIネットコムに出向して、現職に就任。

●所属..........
Webマーケティング事業部
部長
●担当する商材.......... 独自のiPad会議システム「モバイル会議」
●訪問するお客様.......... 販売パートナーとエンドユーザー
●掲げるミッション.......... 「モバイル会議」の営業体制をつくり、拡販に結びつける
●やり甲斐.......... 体制にテコ入れし、改善を図る
●部下を率いるコツ.......... 報告を送るなど、自分もメンバーに求めるのと同じ動きをすること
●リードする部下.......... 9人

 長年にわたるコンサルタントの経験を生かし、業務で追求しているのは、科学的な手法を駆使した徹底的な内部管理である。ホワイトボードなどを使って、誰がどこに営業に行っているのか、製品に興味を示しているお客様がどのくらいおられるのか、受注案件は何件かなど、徹底的に把握する。こうしたことをボードに書き留めておくことで、営業チームの現状を文字通り「見える化」する。そして、案件の進捗具合を踏まえて販売目標を設定し、目標にたどり着くための道筋を描く。まさに、コンサルタントのときにお客様に提案したことをいまは自分で実行し、営業活動の効率化と受注の増加に結びつけているのだ。

 私が率いるチームが主に扱っているのは、iPad向けのモバイル会議システムだ。このような、一件あたりの受注金額が比較的低い製品は、導入企業数=ボリューム販売が利益のカギを握る。2013年末に、新製品の「モバイル会議Ⅱ」の拡販を目指して、私は営業メンバーの動きをきめ細かく分析して数字化している。目標を達成するために、何件訪問しなければならないのか、メンバーのこれまでの提案活動を分析した結果、例えば10社から注文をいただくために、100社を訪問して提案する必要があることがわかった。私はこの数字から逆算して、販売目標をクリアするために必要な訪問件数を具体的に示しながら、メンバーに活動を促している。

 当社のモバイル会議製品は、機能を必要なものだけにして、使いやすさにこだわったのが特徴だ。ITに習熟していない方でも使うことができるので、活用シーンはどんどん広がっている。新製品は、ペンによる手書きメモを簡単に追加・編集する機能を搭載している。この機能は、例えば人事面接で面接官が使うなど、活用シーンは多い。私は、自分で考え出した活用方法をメンバーに伝え、提案の幅が広がるようにサポートしている。これまで、従来の活用方法ばかりを訴求していて、あまり受注に結びつけることができなかったメンバーも、新鮮な発想の提案を心がけるようになり、お客様の「なるほど」を引き出して受注を増やしている。

 元コンサルタントで、いまは最前線の営業部長。私は、キャリアで積み重ねてきたノウハウを武器にして、メンバーといっしょに汗をかきながらチームを動かし、ウェブ関連事業を着実に伸ばすことにやりがいを感じている。