最近の悩みは「r」がないこと。記事の執筆で酷使したからなのか、キーボードの「r」キーの反応が鈍くなっています。かなり力を込めて打たないと、「りえき(利益)」が「いえき(胃液)」になってしまって、とんでもない誤植につながりかねないので、気をつけなければなりません。
取材に応じてくださる方のなかには、たまに異体字のお名前の方がいらっしゃいます。とくに、正字とちょっとだけ違う字だと、ちゃんと見ないとなかなか気がつきません。誤植には要注意です。
漢字の歴史に詳しい先輩記者から、こんな説を聞きました。いわく、漢字が生まれた中国では、もともとそれぞれの字に一つの書き方しかなかった。日本の異体字は、手書きで漢字を書くときに間違えた字が定着したもの――。
キーボードも筆も、人が脳で描いている「絵」をかたちにするインターフェース。パソコンやスマートフォンが普及し、手で字を書く機会は少なくなっています。デジタルツールを使っている人にとって、変換ミスは別として、漢字を正しく記すのはあたりまえ。一方で、手で字を書く人には「r」がないという悩みはなかなか理解してもらえないでしょう。
しかし、手書きとデジタルの融合は決して不可能ではありません。デジタル時代だからこそ、生活の豊かさを表す漢字の多様性を活用しながら、相手に正確な情報を伝えたいものです。(ゼンフ ミシャ)
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MetaMoJi、iPad用デジタルノートアプリ、法人向けライセンスの提供も検討メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.4.16」より