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ダイバーシティ

2014/07/29 15:26

 「女性営業だからこそできること、女性営業にしかできないことを確立したい」。業務ソフト大手の応研で、入社3年目にして、社運をかけた新商材である中堅・大企業向けERP「大臣エンタープライズ」のプロジェクトチームに抜擢された藤井美寿穂さんに今後の目標をたずねると、そう力強く答えてくれました。彼女の人となりは、『週刊BCN』7月21日号の「FACE」で紹介しています。

 正直いって、インタビュー記事にこの言葉を載せるかどうか、迷いました。捉えようによっては、性差別を助長するような物言いになってしまうという危惧があったからです。営業の現場は、人と人とのコミュニケーションで成り立っています。あるべき論はさておいて、現実として、例えば若い女性は客先の男性担当者に気に入られやすい。逆に、若い女性だから軽んじられる。どちらもあり得ることでしょう。

 しかし、それはコミュニケーションの入り口でしかありません。入り口がどこであっても、粘り強く対話を積み重ね、その先に自分なりのゴールを見つける手法を確立する。藤井さんは、わずか数年でその境地に至ったようです。まだまだ男性社会の業務ソフトの営業現場で、現実を踏まえて「女性の働き方」に意識的に向き合い、冷静に、そしてポジティブに自らのキャリアを考える姿には、大きなパワーを感じました。ダイバーシティが企業を活性化させる、その一端を垣間見たといったら言い過ぎでしょうか。(本多和幸)

【記事はこちら】
FACE 応研 大臣エンタープライズプロジェクト 藤井美寿穂
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.7.29」より
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