今日のひとことWeb版

中国のIT投資は健在

2014/08/29 15:26

 中国現地向けITビジネスを手がける日系ITベンダーにとって、日系企業の動向からは目が離せません。多くの日系ITベンダーは、中国で抱える顧客の大半が日系企業だからです。

 中国商務省によると、2014年1~6月の日本の対中直接投資額は、前年同期比48.8%減の24億USドル(約2400億円)。日中の政治摩擦や中国国内の人件費の高騰などが原因で、日系企業の投資額は急激に抑制局面に入っています。

 このことが、日系ITベンダーにとって、あまりよくない影響を与えているのではないかと思い、現地の日系ITベンダーにたずねました。しかし、意外にも多くの方は前向き。それは、全体の投資額は減っているが、IT投資額が大きく抑えられているわけではないからです。

 例えば、先日取材した製造業向けソリューションを手がける日系ITベンダーの総経理は、「日系製造業は、ラインなどで使用する大型機械などの投資は抑えているものの、生産管理や在庫管理など、これまで人海戦術で行っていたバックオフィス系の業務に関しては、ITで自動化を図る意欲が旺盛だ」と答えました。人件費が高騰していることで、むしろITに投資して効率化しなければ、事業が成り立たなくなっているケースが多々あるというのです。

 対日投資が半減していることは確かに衝撃ですが、マクロの動きに一喜一憂せず、自らが身を置く場所から冷静に分析する姿勢が重要だと痛感しました。(上海支局 真鍋武)

【記事はこちら】
アスプローバ上海、2014年度上期はローカルビジネスが好調、パートナー戦略が実る
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.8.29」より
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