今日のひとことWeb版

弥生のクラウド化

2014/10/28 15:26

 小規模事業者向け会計ソフト市場で、本数シェア7割弱、金額シェア8割強と圧倒的なシェアを誇る弥生が、クラウド商材の品揃えを拡大しています。個人事業主向けのクラウド会計ソフトとして今年1月にリリースした「やよいの白色申告オンライン」に加え、より多くの需要が期待できる「やよいの青色申告 オンライン」を、先頃ついに市場に投入しました。岡本浩一郎社長は、「弥生が長年培ってきた会計・申告ソフト技術・ノウハウを結集した」と胸を張ります。

 近年、freeeやマネーフォワードといった小規模事業者向けのクラウドネイティブな会計ソフトベンダーが、ユーザー数を急速に増やしています。岡本社長は、「彼らに顧客を奪われている感覚はない」というものの、例えばfreeeはすでに10万以上のユーザーを抱えています。まったく意識していないはずはありません。最大手の弥生が、クラウドの世界で彼らと真っ向からぶつかることが市場にどう影響するのか、目が離せません。

 この競合関係は、法人向けソフトの領域にも拡大する可能性が高いでしょう。クラウドはUXやサポートの革命を引き起こし、とくに若い世代の小規模企業経営者にITのセルフサービス化を促している感があります。弥生は、家電量販店から会計事務所、事務機ディーラーやSIerまで、非常に広い範囲をカバーする販売チャネルを整備していますが、クラウドが普及するにつれ、付加価値を提供できないチャネルに存在意義がなくなっていくのは間違いなさそうです。(本多和幸)

【記事はこちら】
弥生、クラウド会計ソフト「やよいの青色申告 オンライン」の提供を開始、「弥生 15 シリーズ」は10月31日発売
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.10.28」より
  • 1

関連記事

弥生、オンラインサービスの第二弾は白色申告、1月14日にサービス開始

弥生がクラウドサービスの直販を開始 ユーザー拡大のきっかけになるか 第二弾のアプリケーションが“本命”

弥生 クラウドサービスの充実を図る クラウドキャストと資本・業務提携