今日のひとことWeb版

地方創生の担い手

2014/11/12 15:26

 安倍政権の新たな目玉施策である「地方創生」。今国会で「まち・ひと・しごと創生法案」の審議が始まっています。人口減少に歯止めをかけるとともに、首都圏への過度な人口集中を抑え、地域社会を活性化する人材の確保や雇用環境の整備を一体的に進めるという趣旨ですが、果たして有効な手を打つことができるでしょうか。私は東北の田舎で生まれ育ちましたが、地元のことを考えると、雇用環境を整備して人口流出を防ぐといっても、いったい何をどうすればいいのか、見当もつかないというのが正直なところです。

 しかし、岐阜市に本社を置く中堅SIer、電算システムの田中靖哲社長のお話をうかがって、地方創生に向けた一筋の光をみたような気がしました。地域に根ざした計算センター事業で成長し、徐々に事業エリアも事業内容も拡大してきた電算システムは、いまや東証、名証の1部上場企業。クラウドビジネスでは先駆者といってもいい存在になりました。それでも、「岐阜に根を下ろしている」ことをアイデンティティとして大切にしているのです。

 一時は金華山(旧稲葉山)に織田信長の居城を戴き、楽市楽座で栄えた岐阜を「地方」扱いするのは、いささか失礼かもしれません。それでも、首都圏一極集中が顕著なIT業界では希有な例です。本来は、ITこそ、場所にとらわれずにイノベーションを起こすことができる産業のはず。電算システムのような企業が簡単に出てくるわけではありませんが、地方を活性化する企業のモデルケースといえるのではないでしょうか。(本多和幸)

【記事はこちら】 電算システム 代表取締役社長執行役員COO 田中靖哲
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.11.12」より
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