川崎市が、児童・生徒の学校内外のトラブルを早期に把握するための緊急電話相談「ダイヤルSOS」の運用を3月9日から始めると、各報道機関が報じています。同市の中学一年生が殺害された痛ましい事件を受けて講じた再発防止策の一つで、川崎市は以前から同様の取り組みを行っていたものの、今回の事件で活用されなかったため、名称と運用方法を改めたとのことです。電話相談の内容によっては、相談員が学校や警察に連絡し、各機関が連携して事件化するのを防ぐという意図があるようです。

 悲劇を防ぐために、まずできることから行動するという姿勢は重要です。ただ、ひっかかるのは、電話の受付時間が平日の午前9時半から午後5時までであることです。考えるまでもないことですが、毎日学校に通学している児童・生徒にとっては、なかな利用するのが難しい時間帯です。何らかの事情で不登校になってしまった児童・生徒であったとしても、平日の日中がこうした相談に適した時間帯かどうかは疑問が残ります。さらに、こうした電話相談を、多くの児童・生徒が信頼に足るものだと認識してくれるにはどうしたらいいのかという視点も必要でしょう。

 行政側が使うことのできるコストと人員、そして各種意思決定の権限も限られています。しかし、知恵を絞って意味のある施策を打ち出すための現場の努力こそが、何よりも大きな推進力になるケースがあることも確かです。(本多和幸)

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メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.3.10」より