Windows、Mac OS、Linux、iOS、Android……、アメリカのIT業界は次々と世界を席巻するOSを世に送り出してきました。歴史に“もし”がないのを承知のうえで、日本がOSでまとまった世界シェアを獲るためには、どのあたりまで時間をさかのぼらなければならないでしょうか。例えば、Windows系であるなら、前身のMS-DOSが勢力を伸ばした1980年代の時点で、対抗OSを出せば勝てるチャンスがあったかもしれません。

 実はいま、自動車を制御する心臓部「車載ECU(電子制御ユニット)」のOSに、欧州発のAUTOSAR(オートザー)の存在感が急速に高まっています。80年代のMS-DOSの勢いをイメージすればわかりやすいといわれています。何もしなければMS-DOSよろしく、競争のスタートラインにすら立てません。

 繰り返そうとする歴史に「NO」を突きつけた人がいます。リアルタイムOS「ITRON」の研究で有名な名古屋大学の高田広章教授です。自らAUTOSAR準拠のOSを開発する会社「APTJ」を立ち上げて、スタートラインに立ちました。AUTOSAR OSの開発では、すでに欧米印のベンダーが大きく先行しています。たとえ芥子粒ほどしかチャンスがなかったとしても、まずは競争に参加しなければ何も始まりません。(安藤章司)

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名古屋大学の高田広章教授、AUTOSAR準拠の車載ECU向けOS開発会社「APTJ」を設立、会長兼CTOに就任
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.10.8」より