BCNの最寄り駅・神田で山手線の電車を待っていると、反対方向のホームに見慣れない形の電車がやってきました。昨年11月30日に営業運転を開始した新型車両「E235系」で、目の前でその姿を見るのは初めてでした。11月に運転開始といっても、システムに不具合が発生したため、初日で運行は中止。改修と試験を経て、今月ようやく営業運転を再開した車両です。

 トラブルの原因となったのは、車両の制御・監視を行う「INTEROS」と呼ばれるシステム。制御情報やセンサデータの伝送にイーサネットを採用し、走りながら線路や架線の状態をモニタリングするなど、高度なデータ活用を志向したシステムになっています。「そんなややこしい機能より、まずちゃんと走ることが先だろう」という指摘はもっともですが、鉄道というインフラの維持・管理には人手がかかります。労働力人口が減少している日本で、これまでのような高い安全性を提供するには、テクノロジーの力を借りることが不可欠。新しいシステムにはトラブルがつきものですが、将来の鉄道インフラを支える技術に発展してくれることを期待します。

 先月名古屋で沖電気工業が開催したソリューションフェアも、労働力人口減にともなって発生する課題をいかに解決するかが全体のテーマとなっていました。東海地方の人口は、岐阜・三重・静岡がすでに顕著な減少傾向にあり、大都市の名古屋を有する愛知もほぼ横ばいです。テクノロジーの活用はビジネスの課題であると同時に、日本社会のこれからを考えるうえでも避けて通れないテーマといえるでしょう。(日高 彰)

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<BCN REPORT>沖電気工業 中部の人材難をICTで救うソリューションを訴求
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2016.3.16」より