ITインフラを手がける各社が揃って「いま最も力を入れている分野」に挙げるのが、オンプレミス/クラウドのハイブリッド環境です。クラウド化の勢いが年々増す一方、すべてのIT資産をクラウドに移行できるわけではない以上、クラウドと自社の拠点を組み合わせてうまく使い分ける、しかも、その両方を統合的に管理・運用するというのは当然の考え方です。先日発表されたデルの「Hybrid Cloud System for Microsoft」は、いわばマイクロソフトのAzureと同じ環境をオンプレミスで構築できる製品で、電源オンの後、Azureと同じ使い勝手で仮想マシンの作成や管理が行えます。また、Azureと簡単に連携が可能で、障害発生や過負荷時などにクラウド側のリソースを利用するのも容易です。

 発表会の後、マイクロソフトの担当者に「まさにAzureとのハイブリッド環境を実現する製品ですね」と話しかけると、いったんうなずきながらも、「目指すところはハイブリッドの先にあります」という答えが返ってきました。“ハイブリッド”という言葉には、二つの異なる要素を組み合わせて生まれたもの、といった意味がありますが、ITインフラを「ハイブリッド環境」と呼んでいること自体、裏を返せば、今はオンプレミスとクラウドという異種のものを、なんとか苦労して一つの環境として使おうとしている段階にあるということ。

 オンプレミスもAzureも、さらには他社のクラウド基盤もまとめて一つの大きなIT資源として扱い、ユーザーがそれらの違いをまったく意識することなく利用できる環境をつくり上げることが目指すべき方向ということのようです。その意味では、ハイブリッドという言葉が世の中で使われなくなることがゴールといえるのかもしれません。(日高 彰)

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デル オンプレミスでAzureを使える統合製品 自社DCとIaaSで共通の使い勝手を実現
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2016.5.11」より