私のSNSアプリ「微信(WeChat)」のアカウントに、知らない中国人から友達申請がきました。どうやらローカルIT企業の営業担当者のようです。思い返せば、前日に参加した展示会で、ノベルティ欲しさに、その企業のブースに名刺を投げ入れたのでした。

 興味本位で友達申請を承認してみると、チャット上で御礼のメッセージがあった後、すぐに私の携帯電話にその担当者からの連絡が入りました。応答したところ、その企業が提供するITシステムの無料体験を勧められました。そう、この担当者は微信を新規顧客開拓の営業活動に利用していたのです。

 日本で新規営業といえば、電話とメールが主流ですが、電話は会社番号にかけても相手が不在のケースが多いですし、メールも返信してくれるまでに時間がかかります。一方、微信であれば、確実に本人に連絡が取れますし、モバイル対応なのでメールと比べて返信も早い。また、最初に友達申請を承認してくれるかどうかで、その会社の商材に興味があるかを把握することができます。この担当者は、展示会で収集した名刺のうち、微信で友達申請を承認してくれた人から優先的に営業の電話をかけていたものと推測されます。

 コンプライアンスが厳しい日系企業では、外部企業とのやりとりで積極的に微信を利用している印象はありません。各担当者が属人的に営業活動する傾向が強い中国企業だからこそ、こうしたやり方が成り立つのかもしれません。(上海支局 真鍋 武)

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メールマガジン「Daily BCN Bizline 2016.5.13」より