BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『SHOE DOG 靴にすべてを。』

2018/02/21 09:00

週刊BCN 2018年02月12日vol.1714掲載



ナイキの成長の陰に日本企業

 1995年、ファッションに関心がなかった田舎の高校生には、ナイキの「エアマックス95」の社会現象ともいえるような大人気ぶりや、それが引き起こした“エアマックス狩り”のような社会問題も、別世界の出来事だった。しかしおもしろいもので、30代も後半になった昨年のこと、たまたま店頭でエアマックス95を目にした。記憶の刷り込みがあったのか、あらためて見ると、懐かしさを感じる。そして、率直に「こんなに、かっこよかったっけ?」と思った。つい、衝動買いしてしまった。

 スポーツシューズだけでなく、いまではグローバル最大手の総合スポーツ用品メーカーとなったナイキ。同社に思い入れのある人も少なくないだろう。創業者であるフィル・ナイトの自伝では、起業を志した62年から、上場を果たした80年までの軌跡がつづられている。同社の成長の過程には、オニツカ(現アシックス)や日商岩井といった日本企業も大きくかかわっているなど、さまざまなエピソードが紹介されていて、興味深い。(霹)
 

 
『SHOE DOG 靴にすべてを。』
フィル・ナイト 著
大田黒奉之 訳
東洋経済新報社 刊(1800円+税)
  • 1