店頭流通

アイ・オー・データ機器 ネットワーク関連製品を強化

2002/04/01 18:45

週刊BCN 2002年04月01日vol.935掲載

 

5.2GHz帯使用の高速無線LANなど発売

 アイ・オー・データ機器(細野昭雄社長)は、立ち遅れていたネットワーク関連機器の製品体系充実に向けて動き出した。メモリ、ストレージ、マルチメディアだけでなく、「ネットワークもアイ・オー・データと呼ばれるようにする」意向で、「文房具シリーズ」の充実、融合製品「LAN-iCN」、「5.2GHz無線LAN」の投入などにより、巻き返しを図る。

 ネットワーク関連機器市場は拡大基調にあり、ルータ、無線LAN、LANカードなどアフタマーケットにおける台数規模は相当の伸びを示している。ただ、単価下落も激しく、売上金額ベースでは伸び悩みというのがほぼ全機種に共通する傾向となっている。市場をリードしているのはメルコ、コレガ、プラネックスなどで、アイ・オー・データ機器はこの分野では出遅れていた。

 巻き返しに当たり、低価格製品については「文房具」というコンセプトで製品強化を図っていく。「機能的には成熟しているので、デザインよりも実用性と購入のしやすさを追求する」としており、具体的には有線用NIC、HUB、プリントサーバー、単機能ルータ、2.4GHz無線用のNICやアクセスポイントなどを「文房具シリーズ」と位置づけている。

 今回、同シリーズの一環としてIEEE802.11b対応の2.4GHz無線ブロードバンドルータ「WN-B11/BBRH」を発売した。価格はオープンだが、アクセスポイントは1万9800円、PCカードは8000-8500円程度の実売価格を想定している。

 ブロードバンドインターネット接続機能とIEEE802.11b無線ネットワーク機能を合体させた製品で、ウィンドウズメッセンジャーに対応。ビデオチャットやオンラインゲームが楽しめる。

 「半歩先を行く製品」として投入するのが、5.2GHz帯を使用するIEEE802.11a規格に対応、54Mbpsの高速伝送が可能な「WN-A54シリーズ」。

 2.4GHz帯を使用するIEEE802.11b無線LANは日本でも急速な普及を見せているが、電子レンジ、アマチュア無線、ブルートゥースなども同じ周波数帯域を使用していることから、混信の懸念、実性能の低さ、セキュリティの低さなどが問題点として浮上している。

 この対策として打ち出されているのが5.2GHz帯を使うIEEE802.11a規格。日本ではまだ屋外での使用は認められておらず、電波の伝送距離も約100m(.11bは約300m)と短いが、総務省は法改正に向けて準備中で、いずれ無線LANの本命に浮上する可能性を秘めている。

 同社が今回発売するWN-A54シリーズはオープン価格だが、アクセスポイントは4万9800円、PCカードは1万6800円程度の実売価格になるとしている。

 融合製品となるのが、ネットワークストレージ「LAN-iCN」で、ハードディスクをLANに直接つなぐという商品。データを1か所に集中、共有の設定が簡単にできる。すでに発売を開始しており、予想以上の反響だという。今後はCD-RW、MOなどのストレージ製品をネットワークに直接投つなげるようにしていく。
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