店頭流通

富士通 生産体制強化でパソコンの過剰・不足を改善

2002/06/24 18:45

週刊BCN 2002年06月24日vol.946掲載

 

1週間単位で出荷数を改訂

 富士通(秋草直之社長)は、生産体制を強化し、在庫過剰や在庫不足を改善する。1週間ごとに販売目標を決め、それに見合う出荷数を調整し、各量販店に適した数量・機種を出荷する。同社は、今年の夏商戦は市場全体で前年割れするだろうと予測。そのなかで、市場の変化に迅速に対応することでシェアを拡大し、前年並みの売上高を維持する構えだ。

 富士通のパーソナル販売推進統括部第一販売推進部・三竹兼司部長は、「パソコンの売上高が伸びている量販店に商品を多く卸すことが、当社の売上高増加につながるとは限らない。在庫過剰や在庫不足を改善し、市場の変化にどれだけ柔軟に対応できるかがカギとなる」と話す。

 同社は、夏商戦に向けて生産体制を強化。販売目標数を1週間ごとに決め、各量販店に的確な数量・機種を出荷する体制を整えた。

 「夏商戦での目標はある程度決めているが、さらに細かく見直す。従って、8月以降については現時点では決めていない」としている。

 こうした取り組みの背景には、パソコン市場の伸び悩みがある。三竹部長は、「02年の夏商戦は前年を下回るだろう。しかし、悪くても前年同期比10%減前後で留まって欲しい」と漏らす。また、「今年の春商戦では液晶デスクトップがよく売れたが、増産がうまくできなかった。そのため、販売機会を逃した」と語る。

 同社は、夏商戦向けにデスクトップパソコン「FMV-DESKPOWER」シリーズとノートパソコン「FMV-BIBLO」シリーズのラインアップを一新。デスクトップ2機種、ノート5機種の計7機種を用意した。

 「DESKPOWER」では、各機種とも基本性能の強化を図るとともにデザインを一新し、ワイヤレスLAN搭載モデルの投入や、全機種でセキュリティ機能強化などブロードバンド・インターネットを快適に利用できる製品に仕上げた。大画面17型ワイド液晶ディスプレイモデルには、リアルなサウンドを生み出す「タイムドメインスピーカー」を内蔵し、動画を鮮明に表示する「あざやかウィンドウ」機能とあわせ、テレビやDVDなどを高画質の大画面と臨場感のあるサウンドで楽しむことができる。

 「BIBLO」シリーズは、全機種にブロードバンドポートを標準装備するとともに、IEEE802.11b準拠のワイヤレスLANを内蔵した。

 同社の01年度上期(01年4-9月)におけるパソコンの出荷台数は、国内市場で121万台。「市場が低迷するなかで、今年度上期は夏商戦で市場でのシェアを高め、前年並みを維持していく」としている。
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