検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>第3回 ピーシーデポコーポレーション

2002/07/15 16:51

週刊BCN 2002年07月15日vol.949掲載

 ピーシーデポコーポレーション(野島隆久社長)は、ウェブサイト「Web(ウェブ)本店」を1つの店舗として位置づけ、サイトビジネスの売上拡大に力を入れている。サイトのアクセス数は、1日平均で約1万ページビュー。顧客層は20-40歳代が大半で、男女比率は男性7割、女性3割。

品薄商材を提供 現状は体力勝負

サイトのアクセス数は、1日平均で約1万ページビュー。顧客層は20-40歳代が大半で、男女比率は男性7割、女性3割。

商品アイテムは、既存店舗で販売する商材の掲載に加え、品薄商品や前機種モデルのラインアップ強化など、競合他社の既存店舗で販売していない商材を多く揃える。ウェブ本店独自の特価セールを行っていることも特徴だ。

ウェブ本店の運営責任者である野嶋克明課長代理は、「なかなか手に入らない商品を検索できることがサイトの強み。消費者にとってもメリットとなる」と強調する。

消費者が注文した商品は、全店舗の在庫を活用。納期は早くて翌日、遅くても7日後までに届ける。

昨年10月には、出荷システムを強化し、消費者の注文データをもとに作成する出荷送り状の自動化を実現。これにより、ウェブ本店に携わるスタッフの煩雑な作業が軽減した。

もともとウェブ本店は、既存店舗の顧客からの「引越しなどの事情で自宅の近所に店舗がなくなってしまった」という声に対応し、1999年10月に立ち上げたもの。

そのため、ウェブ本店では、「初心者から上級者まで、消費者からの電話問い合わせに関して十分に対応できるよう、すべての社員が店舗で接客を経験している」という。

ネットショップについて野嶋課長代理は、「現状は、パソコンを使いこなす中級者や上級者が多い。さまざまな消費者層を取り込むのは、体力勝負の段階」としている。

今後については、「サイトでの購入が安全であるという信頼性をさらに高くしていくことが重要だ。単純なドットコムでは淘汰されてしまう。ネットと既存店舗との連動をしていかなければならない」と指摘している。

今後は、消費者が既存店舗の在庫状況をサイト閲覧できるシステムを構築し、サイトの便利さを追求していく。「03年をめどに確立していきたい」意向だ。

サイトの売上構成比は、03年4月期に売上高全体の約10%と見込んでいる。(佐相彰彦)
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