PC販売店の体力測定

<PC販売店の体力測定>第6回 上新電機

2002/08/05 18:45

週刊BCN 2002年08月05日vol.952掲載

 ライバル店との競争激化、パソコン販売減、家電リサイクル4品種の駆け込み需要の反動など、厳しい環境のなかで、上新電機は店舗のスクラップ&ビルドによる店舗の大型化と効率化、ローコストオペレーションを実施した。2001年度末(02年3月期)で直営店が前年度に対し13店減の126店、連結子会社が1店増の31店と、総店舗数は前年度に比べ12店減の157店。(DRC(データリサーチ社))

 決算概況(単体ベース)も厳しく、売上高が2312億円、前年度比13.4%減と2ケタ台の減少を余儀なくされ、14社の中でもT・ZONE.に次ぐマイナスだった。そのなかで、今年1月のマックスバリュー中部とのJFC(ジョーシン・フランチャイズ・チェーン)契約解消に伴う商品供給減など、卸売部門の売上減少が大きく、同26.5%減の143億円となった。一方、小売部門の直営店売上高は同11.5%減の2111億円。

 損益状況は、営業損益が44億円の赤字。営業損益に至る各項目をみると、売上総利益が同17.6%減の392億円、売上高対比で16.97%、同0.80ポイント低下している。一方、販管費は金額ベースでは減少したものの、売上高対比で18.89%と同1.96ポイント上昇している。上昇率が大きいのは人件費、賃借料、広告宣伝費、物流費などで、特に人件費は197億円で同7.5%減となったが、売上高対比で8.53%と同0.64ポイント増加した。希望退職者募集など従業員の削減、給与賞与の一部カットを実施したが、効果は現れなかった。

 賃借料も72億円で同3.6%増、売上対比で3.14%と同0.52ポイント上昇している。02年度(03年3月期)の計画は、売上高が前年度実績を下回る2300億円、経常利益5億円を見込んでいる。エディオングループ、ベスト電器、ミドリ電化との5社連合による業務提携を推進、効率的な商品開発、商品仕入れなどで収益力の向上を目指している。現在、新中期経営計画による企業体質の強化に取り組んでいるが、効果が現れるのはまだ先になりそうだ。
  • 1