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個人向けパソコンの販売動向 NEC、新体制で反撃の狼煙

2002/09/30 16:51

週刊BCN 2002年09月30日vol.959掲載

 NECは冬商戦に備え、個人向けパソコンを全面的に刷新する。同社は昨年10月、パソコン事業を販売子会社のNECカスタマックスに移管したものの、生産体制の切り替えが間に合わず、この夏モデルまでは、旧体制のままNEC本体で企画したパソコンが店頭に並んでいた。しかし、今回の冬モデルからは、NECカスタマックスがすべての新製品を企画立案。新体制による新製品を、10月中旬までに発表する。

NEC、新体制で反撃の狼煙

 新体制で初めての製品は、利用者の用途に応じてモデルを区分しているのが特徴で、これまでの機能別・性能別の区分を全廃した。「この冬モデルは、NECカスタマックスのマーケティング力を存分に発揮した製品群で、1999年に話題を集めた未来型パソコン『シンプレム』以来の大幅刷新になる。冷え込んだ個人向けパソコン市場の起爆剤になる」(NEC)と、シェアで優位に立つソニーの追い落としを狙う。

 迎え撃つソニーは、9月下旬から早々と冬モデルの出荷を始め、テレビやビデオカメラ、ウォークマンなど、得意のAV(音響・映像)機器との連携を一段と強めた。「バイオをホームサーバーの中核に据えて、AV機器との連携を図る」(ソニー)切り口で“ソニー王国”の城壁を固める。販売会社のソニーマーケティングは、すでに今年4月から、バイオとその他AV機器に分かれていた縦割り組織を撤廃し、すべての製品を横一列に並べて売り込む体制をつくった。

 8月月間のBCNランキングのデスクトップとノートを合わせた前年同月比は、台数ベースが82.5%、金額ベースで86.5%と依然として前年割れが続く厳しい状態。NEC、ソニーの頂上決戦に、富士通、アップルコンピュータ、シャープ、東芝、ソーテックが加わり、個人向けパソコン市場の復活を図る。

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