店頭市場ピックアップ

ソフトウェアの販売動向 大手寡占で前年上回る

2002/10/21 16:51

週刊BCN 2002年10月21日vol.962掲載

 ベンダーからは、「厳しくなっている」との声が上がる店頭パッケージソフト市場。だが、BCNランキングを見ると、今年第1四半期(2002年1-3月期)は本数、金額ともに前年同期を割り込んだものの、第2四半期(同4-6月期)には本数が回復。

第4四半期は強力商品も登場


 ベンダーからは、「厳しくなっている」との声が上がる店頭パッケージソフト市場。だが、BCNランキングを見ると、今年第1四半期(2002年1-3月期)は本数、金額ともに前年同期を割り込んだものの、第2四半期(同4-6月期)には本数が回復。金額は前年同期比93.3%にとどまったが、本数は同101%とわずかに前年水準を上回り、第3四半期(同7-9月期)は本数が同102.1%、金額が同100.2%と、いずれもわずかながら水面に浮上した。

 「厳しい」というベンダーが多いにもかかわらず、販売本数、金額ともに大幅な減少に至ってないのは、売れ筋が特定製品に偏っているため。トレンドマイクロの「ウイルスバスター 2002」、シマンテックの「Norton Internet Security 2002」、マイクロソフトの「ウィンドウズXP」、ソースネクストの「驚速ADSL」といった人気商品が売り上げを伸ばす一方、それ以外は伸び悩むというサイクルができあがっている。

 ベンダー別シェアを見ても、上位10社は多少の順位変動はあるものの、マイクロソフト、ソースネクスト、シマンテック、トレンドマイクロ、ジャストシステム、アドビシステムズ、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)、NECインターチャネル、エーアイソフト、アイフォー、クレオといった大手ベンダーで固定している。第4四半期(同10-12月期)の見通しだが、この時期に販売が集中するはがき作成ソフトについてBCN総研が発表した10月第1週の販売実績は、本数で前年の9.1%増、金額で同14.7%増と好調な滑り出し。さらに、前バージョンが大ヒットしたソニーコミュニケーションネットワークの「ポストペットV3」の発売が12月に予定されるなど明るい材料も出てきており、前年を上回ることへの期待がもてそうだ。
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