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インクジェットプリンタの販売動向 エプソン、キヤノンの2強時代

2002/10/28 16:51

週刊BCN 2002年10月28日vol.963掲載

HP、複合機に強み


 インクジェットプリンタの初速数値が出た。10月14-20日のBCNランキングによれば、トップシェアはエプソンの台数シェア49.6%、金額シェア51.6%、二番手はキヤノンで台数44.7%、金額45.3%、三番手は日本HPで台数3.3%、金額2.2%だった。エプソンとキヤノンの台数シェアを足すと95%近く、金額シェアでは97%近くと、2社による寡占化がより鮮明になった。

 市場全体では、前年同期比で台数で103%、金額で100%と、ほぼ前年並みに回復した。しかし、このまま年末まで「前年並み」を維持できるかどうかは不透明だ。機種別では、キヤノンのピクサス550i(実売1万9100円)が台数シェア16.0%、同850i(実売2万9000円)が同10.0%と1位と2位を獲得。エプソンのカラリオPM-870C(実売2万1900円)が台数シェア9.0%を占めて3位に食い込んだ。インクジェットプリンタだけで見ると、シェア3番手の日本HPの影が薄い。だが、同社は複合機(プリンタやコピー、スキャナなどの機能が一体化したプリンタ)分野で健闘する。

 複合機分野では、日本HPが台数シェア40.6%、金額シェア42.5%を獲得。2位のキヤノン(台数29.1%、金額31.8%)、3位のエプソン(台数21.8%、金額17.3%)と差を付けた。複合機の市場規模は、インクジェットと比較すると金額ベースで約6分の1と、まだ小さい。しかし、今回の日本HPの躍進により、複合機が国内市場で、ほぼ定着したことが読み取れる。インクジェットと複合機とを足し合わすと、日本HPの台数シェアは7%台に拡大する。
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