店頭流通

九十九電機、石丸電気 イーマシーンズのパソコン販売を開始

2002/12/09 17:00

週刊BCN 2002年12月09日vol.969掲載

 九十九電機(鈴木淳一社長)は、米イーマシーンズ(ウェイン・イノウエ社長兼CEO)と提携、12月20日から日本でイーマシーンズ製のデスクトップパソコンを石丸電気(石丸俊之社長)、九十九電機の店頭とネット通販で販売する。イーマシーンズはデルコンピュータと同様、低価格でパソコンの販売を行っており、デルがリテールを通さないことで収益性を高めているのに対し、イーマシーンズは店頭にこだわったビジネスが特徴。九十九電機の鈴木社長は、「販売店にとって付加価値がつけやすい製品で、周辺機器やソフトの追加販売が行いやすい」としている。イーマシーンズが新たな販売パートナーを作る可能性については、「まず、スタート段階での成功が重要」(イノウエCEO)と、九十九電機、石丸電気での商品販売の成果を見てから決定するとの考えを示した。

1年間の無料サポートも実施

 イーマシーンズは、かつてはiMacにそっくりなデザインのパソコンの販売や、無料パソコンの提供などを行っていた。昨年3月に経営陣を一新し、「パソコンを販売して利益をあげるビジネスモデルを採用した。しかも、販売店を活用していく」(イノウエCEO)メーカーとなっている。

 非公開企業であるため、年商などは明らかにしていない。従業員は120人で、2001年は100万台、今年は140万台のパソコン販売を見込む。

 「デルコンピュータより低い6.5%の販管費を実現し、さらに顧客サービスを徹底することで、ブランド価値を高め、業界平均よりも高い成長率を維持している」(ボブ・デビッドソン上級副社長)という。

 米国に加えて北欧、カナダにもすでに進出しており、今回日本市場にも参入することになった。パートナーとして九十九電機、石丸電気を選んだのは、「パソコン販売に実績をもつ、日本の主要リテーラーであるため」と説明した。

 九十九電機の鈴木社長は、「当社のオリジナルパソコンはハイエンドの高スペックモデルで、購入層が限られてくる。一方、イーマシーンズの製品はスペックはそれほど高くない、2台目、3台目需要となるボリュームゾーンのマシン。しかも、ソフトや周辺機器の追加購入につなげることができるパソコンなので販売店にとって付加価値をつけやすい」という。

 今回日本で発売したのは、インテルのセレロン1.8GH搭載「N1840」(4万9800円)、同CPUにウィンドウズXPプロフェッショナルを搭載した「N1845」(5万9800円)、インテルのセレロン2GHz搭載「N2040」(5万9800万円)、ペンティアム4の2.0A GHzを搭載した「N4010」(9万4800円)。発売後3か月間の販売目標は1万台。

 今後は、ノート2機種を03年4-6月中に、液晶ディスプレイを03年1-6月中に発売する計画。「最終的には米国リテール市場で獲得しているシェア並にまで拡大することを目指したい」(イーマシーンズ側)としている。
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