店頭市場ピックアップ

携帯オーディオの販売動向

2004/05/24 16:51

週刊BCN 2004年05月24日vol.1040掲載

新製品の発売でシェア争い激化

HDD搭載で大容量化の波も

 携帯オーディオプレイヤー市場のシェア争いが激化している。アップルコンピュータが依然として首位をキープしているものの、他のメーカーが新製品の発売で攻勢をかけ、アップルの勢いに“待った”をかけようとしている。大容量化が進むなか、ソニーもHDD(ハードディスクドライブ)を搭載した携帯オーディオを発売するため、市場のシェア争いはますます加熱しそうだ。

 5月10-16日のメーカー別販売台数シェアは、アップルが26.5%でトップの座を維持。2位に12.1%でクリエイティブメディアが入り、次いで松下電器産業が11.1%で3位、アイリバーが10.1%で4位、リオ・ジャパンが10.0%で5位と続く。アップルが首位に君臨し続けているのは、HDDを搭載した携帯オーディオ「iPod」の20GB版が、昨年9月の発売にもかかわらず依然需要が衰えていないため。対応OSがMacだけでなく、ウィンドウズにも対応している点で顧客層の幅を広げたことが好調の要因だ。

 5月10-16日の機種別販売台数では、この「iPod」20GB版が11.7%のシェアでトップに。今年に入ってからは、HDD容量で15GB版も登場。同製品も機種別台数シェアで10.2%と2位につけている。市場はアップルが牙城を築いている状況だが、他のメーカーも新製品を発売することでシェアアップを狙う。クリエイティブメディアは、「クリエイティブノマドMuVo2」として1.5GB版と4GB版の2機種を今年4月に発売。5月10-16日の機種別シェアでは、4GB版が3.7%で3位、1.5GB版が3.3%で4位に位置する。

 東芝は、20GBのHDDを搭載した「ギガビートG21」を4月に発売。同製品は発売以来、上位10機種以内を維持している。ソニーは、20GBの携帯オーディオである「バイオポケット」を夏商戦向けに新しく投入する。同社では、パソコンとAV(音響・映像)のさらなる融合を視野に入れ、同製品と「バイオ」を組み合わせた販売でアップルの牙城を切り崩したい意向だ。
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