店頭流通

アドビシステムズ アマチュアカメラマン向け画像編集ソフトを強化 デジカメ中・上級者層を開拓

2004/10/25 18:45

週刊BCN 2004年10月25日vol.1061掲載

 アドビシステムズ(石井幹社長)は、アマチュアカメラマン向けのデジタルイメージング商材を強化する。デジタルカメラの普及に合わせて初心者向けの商材の拡充に力を入れてきた同社だが、デジタルカメラ市場の成熟にともない「初心者だけに軸足をおいた戦略では市場が限られる」(宮島誠一郎・マーケティング本部デジタルイメージング&ビデオ部部長<b>=写真</b>)と、、、

 アドビシステムズ(石井幹社長)は、アマチュアカメラマン向けのデジタルイメージング商材を強化する。デジタルカメラの普及に合わせて初心者向けの商材の拡充に力を入れてきた同社だが、デジタルカメラ市場の成熟にともない「初心者だけに軸足をおいた戦略では市場が限られる」(宮島誠一郎・マーケティング本部デジタルイメージング&ビデオ部部長=写真)と、中級・上級者のアマチュアユーザーカメラマン層の開拓に力を入れる。

 デジタル画像編集ソフトなどデジタルイメージング市場は、国内デジタルカメラ市場の成熟にともない、ここ数年、横ばいか若干の縮小傾向が続いている。だが一方で、1眼レフ方式の高機能デジタルカメラが低価格で次々と登場し、アマチュアカメラマン層が高機能デジタルカメラを購入する動きが活発化している。アドビシステムズでは、こうしたアマチュア中級・上級者で構成する市場の開拓を本格化させる。アマチュアカメラマン層を開拓する商材として11月中旬から高機能デジタル画像編集ソフト「フォトショップエレメンツ3.0」(通常版1万3440円)を投入する。前バージョンから約2年を経ており、プロフェッショナル向けのフォトショップから個人利用で必要とされる機能を中心に充実させることで、「中・上級者が納得できる製品」(宮島部長)に仕立てた。

 アマチュアカメラマン向けデジカメ市場が有望であることを受けて、競合他社も相次いで同ジャンルの製品強化に乗り出している。マイクロソフトは10月8日に「デジタルイメージプロ10」(通常版1万4490円)を投入し、ピーアンドエーは10月29日に米ジャスク・ソフトウェアの「ペイントショッププロ9」(通常版1万5540円)の国内販売を始める。

 いずれもデジタル画像の高度な編集機能が特徴。年末商戦に向けて激しいシェア争いを展開すると見られる。アドビシステムズを含めたこれら3社は、本国の米国市場でも同分野で激しいシェア争いを展開している。デジタルカメラ分野の成熟度が高い日本市場での成否は、世界市場におけるシェア争いにも影響する可能性がある。

 宮島部長は、「アマチュアの中・上級者層はデジタル一眼レフカメラなどの高機能デジカメを駆使し、本物志向の編集機能を求めている」とし、プロフェッショナル用のフォトショップで培ったノウハウを武器にアマチュアカメラマン層の獲得に全力を挙げる。デジタル一眼レフカメラなどの立ち上がりを受けて、デジタル画像編集ソフトなどデジタルイメージング市場は「再び拡大基調にシフトする」(宮島部長)と期待されている。アドビシステムズでは、今回投入する「フォトショップエレメンツ3.0」により同分野で20%以上の販売本数シェアを獲得していく方針。プロフェッショナル層に対しては、これまで通りデジタルイメージング分野の主力製品である「フォトショップ」を売り込んでいく。
  • 1