全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>57.東京都杉並区(下)

2004/12/20 18:45

週刊BCN 2004年12月20日vol.1069掲載

 コジマが東京都杉並区に「NEW善福寺店」を出店したのは、「NEW井草店」とのドミナント(高密度多店舗出店)方式で、杉並区のユーザーを囲い込むだけでなく、練馬区や西東京市、武蔵野市など杉並区近隣のユーザーも誘致するという狙いがある。

スーパーとの相乗効果狙う

 渡邉英司・NEW善福寺店長は、「東京都の人口は1200万人。このうちの約15%程度の人口が商圏に居住する」とみており、東京西部エリアをターゲットにすることで、東京のマーケットシェアでトップになろうという強い自信を感じさせる。12月4日の10時オープンを間近に控えた朝礼では、渡邉店長がキッパリと「東京1番店を目指す」と、スタッフを奮い立たせる場面もあったほど。コジマにとっては、NEW善福寺店が東京のマーケットシェアを高めるための重要な店舗になっている。

 競合店との差別化を図った最大のポイントは、スーパーマーケットのサミットとの複合店舗方式を採用したこと。売り場面積自体は2416平方メートルと、コジマ各店の中では中型店舗で、競合点と比べても決して大きな店舗ではない。しかし、サミット、駐車場まで含めた延べ床面積では1万2685平方メートルとなり、杉並区近隣でも有数の家電量販店になる。しかも1階部分にサミットが出店し、平日には主婦が食料品の買い物ついでにNEW善福寺店に立ち寄るといった効果がある。駅から離れた場所にある郊外店の場合、平日の来店が極端に少ないというのが悩みとなっている。

 サミットとのコラボレーションで、「主婦や高齢者が気軽に来店できる」として、土日・祝日だけでなく、平日にも多くの来店者を集めることができると自信をみせる。家電量販店では比較的来店するケースが少ない女性を新規ユーザーとして開拓し、「財布の紐を握っている主婦を味方につける」(渡邉店長)ことで購入単価のアップも狙う。

 主婦や高齢者を顧客として獲得してリピーターとするために、健康器具や情報関連機器を充実させた。健康器具コーナーでは、マッサージチェアを10台程度並べ、実際にマッサージ効果を体験できる環境を設けた。情報関連機器では、「主婦や高齢者など比較的パソコンに慣れ親しんでいない層に分かりやすい接客を行う」ことで、パソコンをはじめ、プリンタなど周辺機器の購入も促していく。

 杉並区の場合、新宿西口が近いためにノートパソコンなど電車でも持ち帰れる商品は、新宿地区など都心で購入するユーザーが多い。そこで渡邉店長は、“情報発信の店作り”をコンセプトに掲げ、「都心に負けない品揃えと価格を提供する」ことでパソコンユーザーの来店を促す考えだ。(佐相彰彦)
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