秋葉原物語

<秋葉原物語>[第4部 イノベーション]41.「つくばエクスプレス」開通

2005/08/29 16:51

週刊BCN 2005年08月29日vol.1102掲載

 「つくばエクスプレス」が8月24日に開通した。同鉄道は、東京・秋葉原と茨城・つくば間を最短45分で結ぶ。運営会社である首都圏新都市鉄道は開業に先立って発車式を実施し、つくばエクスプレス関係者による「くす玉開花」を行うなど盛大に開通を祝った。

 これまでの鉄道と異なる点は、日本を“IT技術立国”として確立させる要の1つになるとの呼び声が高いことだ。開通に先立って行われた「しゅん功開業式」では、石原慎太郎・東京都知事が来賓挨拶として登壇。「日本最大で、しかも世界に類をみない電気街がある秋葉原と、研究学園都市のつくばがダイレクトにつながることは非常に大きな意味を持つ」と述べたうえで、「終戦後、電気街はラジオなどの部品を売る店が軒を並べ、今でもその面影が残っている。一方、つくばは最新技術を開発するための研究者が多い。“ものづくり”の原点を持った街と、最新技術を開発する街のコラボレーションにより、日本が“IT技術立国”となることは、そう遠くはない」と言い切った。

 橋本晶・茨城県知事は、「つくば市の技術を、できるだけ多くの消費者に体験してもらいたい」と呼びかけ、「(つくばエクスプレスの開業を)首を長くして待っていたのは茨城県かもしれない。東京が近くなり、つくば市の人口が増える効果も出てくるだろう」との期待も寄せた。

 つくばエクスプレスが千葉県の柏や流山などを通過することから、堂本暁子・千葉県知事も登壇。「秋葉原とつくばを結ぶのは、科学のクラスタが1本の線になるようなもの。これに貢献できることは光栄なこと」と祝辞を述べた。三郷や八潮を通過する埼玉県も、「中間点として、メイド・イン・ジャパンの秋葉原と技術の原点であるつくばをつなぐ架け橋の役目を果たしていきたい」(上田清司・埼玉県知事)と歓迎の言葉を語った。(佐相彰彦)
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