臨界点

ベンキュージャパン 営業本部本部長 デイビッド デン

2006/04/10 18:45

週刊BCN 2006年04月10日vol.1133掲載

 液晶モニタを国内事業の主力とするベンキュージャパン。ブランド力のアップに向けて動き出した。 斬新なデザインの追求や画面の大型化、薄型テレビとの互換性を強化することなどによって、パソコン上級者から初級者まで、さまざまなユーザーの買い替えを促す。デイビッド・デン(鄧嘉堂)営業本部長は、「近い将来、国内市場でトップ3以内に入る」と言い切る。 佐相彰彦/文 ミワタダシ/写真

デザインや大型画面にこだわり液晶モニタでトップ3を目指す

 ――液晶モニタの販売状況は。

 「順調に推移している。05年度(05年12月期)は、国内出荷台数が前年度の1.5倍に増えた。これは、ユーザーニーズに対応した製品を日本市場に投入できたことが要因だ。昨年度から、画面の大型化やシンプルなデザイン、光沢のあるカラーの筐体など、日本市場でつかんだニーズを台湾本社に伝え、それに適した製品を開発する体制が整った。本社では、日本のユーザーの求める製品が世界でも通用すると認めている。日本の液晶モニタ市場は成熟しているといわれている。しかし、ニーズに適した製品を発売すれば必ず売れる。06年度は、出荷台数で現状の1.7倍を見込んでいる」


 ――新製品の発売については。

 「今年6月までに24インチの製品を発売する。また、年末商戦には30インチのモデルも市場に投入する予定だ。これほどの大画面は他社が参入していない分野なので、パソコンのパワーユーザーや新しいコンセプトの製品を好むユーザーにしか受け入れられないかもしれない。しかし、テレビチューナー付きパソコンにみる大型画面化の傾向や、ユーザーのインターネット利用時間が増加しているという環境が追い風となり、画面が大きければ大きいほど人気がある。したがって、一般ユーザーにも売れるようになるはずだ」

 ――テレビチューナーは搭載するのか。

 「搭載しないつもりだ。日本では発売していないものの、台湾などでは液晶テレビを市場に投入している。日本での発売は現段階で未定だが、液晶モニタと液晶テレビは棲み分けていく。しかし、大画面の液晶モニタでは、家電やAV(音響・映像)機器向けのデジタル映像・音声入出力インターフェース規格『HDMI』への対応を予定している。液晶モニタのチューナーを搭載しなくても、テレビ番組を視聴できるようにする」

 ――液晶モニタ市場は成熟期に入っているので、価格競争がさらに激しくなる可能性が高い。低価格を意識したビジネスは視野に入れているか。

 「あえて価格を下げるというビジネスは行わない。アップルコンピュータのパソコン『Macmini』対応モデルや、ワイド画面モデルなどの発売により、当社製品の売価は下がっていない。昨年は、一昨年と比べ1万円以上は高い売価をキープした。低価格路線は、ブランド力の向上につながらない。開発コストの削減で低価格を実現したのであれば話は別だが、シェアを高めるために無理に価格を下げるというのでは市場規模が縮小する危険性がある」

 ――ベンキュー製品の強みは、どこにあるのか。

 「ワールドワイドで展開している点だ。各国・地域のさまざまなユーザーニーズに対応して製品開発を行い、それぞれに適した製品を投入している。しかも、グループ会社であるAUオプトロニクスとの連携でコストパフォーマンスが高い液晶パネルも開発できる。各地域に適した価格や機能搭載の製品を発売できる点が強みだ」

 ――国内シェアについては。

 「今年中に、シェア5位以内の獲得を見込んでいる。1か月ベースでは現段階で7位だが、1週間ベースでみると5位にランクインするケースも出ている。まずは5位以内をコンスタントにキープし、近い将来にはトップ3を必ず獲得する」

DATA FILE
■市場は2強体制、3位以下で競争激化

 液晶モニタの店頭販売は、三菱電機とアイ・オー・データ機器の2社が2ケタシェアを確保しており、2強体制が続いている。3位以下は競争が激化しており、混戦状態になりつつある。

 3月20-26日のメーカー別販売台数シェアは、ソニーが8.1%のシェアで3位を獲得したが、その前週(3月13-19日)はコレガが8.9%で3位だった。昨年の年末商戦では、LG電子(現在10位)が12月中旬から3週連続でシェア9%以上を獲得し、2強を脅かした。

 こうした状況を踏まえ、アジアなど海外からの新興メーカーは日本市場でのブランド確立に向け、トップ3の獲得を当面の目標として掲げている。低価格を武器にシェアを高めるケースや、デザイン面でパワーユーザーの獲得を図ろうと躍起になっている。

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