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AOSテクノロジーズ システムメンテナンスが売上増に貢献 下期をめどに新ジャンルに参入

2006/05/01 18:45

週刊BCN 2006年05月01日vol.1136掲載

 AOSテクノロジーズ(佐々木隆仁社長)は、スパイウェア対策ソフトやシステムメンテナンスソフトなどを展開しているソフトウェアカンパニーの昨年度(2006年3月期)売上高が、前年対比約2倍の8億1000万円に拡大したことを明らかにした。今年度は、スパイウェア対策やシステムメンテナンスのほか、下期をめどに新ジャンルに参入し製品強化を図る。また、法人向けライセンス契約体制の整備、スパイウェア対策のアップグレードにより売上高12億円を目指す。

 AOSテクノロジーズは昨年度、従来からのデータ復元ソフト、ファイル抹消ソフトに加え、スパイウェア対策、バックアップ、HDD入れ替え、高速・快適化など新たに6シリーズを追加した。これらの製品が好調に推移したことでソフトウェアカンパニーの売上増に貢献した。

 BCNランキングによると、同社はシステムメンテナンス市場における現在のシェアは3位。今年3月には販売本数、販売金額ともに2位のシマンテックに肉薄し、シェアを伸ばしている。シェア拡大の要因は、「上級者向けのソフトというイメージが強いなかで、ワンクリックや簡単操作を追求した結果、これまで取り込めていなかった初心者層の獲得に成功した」(岩井広子・ソフトウェアカンパニーカンパニープレジデント)ため。「潜在需要の3割の掘り起こしにつなげた」ことが、現在の手応えのようだ。市場全体では前年割れと厳しい状況にあるが、「まだ7割の潜在需要を取り込めていない。このためシステムメンテナンスは、むしろこれからの市場」と見ており、今後も初心者が簡単に使える製品開発を強化することでシェア拡大を目指す。

 事業強化に向けて、今年4月から自社製品および競合他社の製品も取り扱うECサイト「eSoft.jp」を開設し、新たな収益源に育てていく計画だ。

 「eSoft.jp」と同時に立ち上げたフリーウェアやシェアウェア作者向けブログ「Softブログ.jp」を通じて、「眠っている技術を発掘」し、自社製品の開発に繋げたいと考えている。
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