店頭流通

PCデポ ショップ側から薄型テレビを提案 独自ブランド「OZZIO」を強化

2006/08/07 18:45

週刊BCN 2006年08月07日vol.1149掲載

 ピーシーデポコーポレーション(PCデポ、野島隆久社長)が、自社ブランドの薄型テレビ「OZZIO」シリーズの販売を強化している。同社は今年4月、自社ブランドの32V型の液晶テレビを発売。7月中旬からは、液晶のラインアップを拡充したほか、新たにプラズマテレビも加え強化を図っている。薄型テレビ市場拡大を背景にパソコン専門店側の切り口で、ユーザーを獲得するのが狙いだ。

 パソコン販売のPCデポは、今年4月に自社ブランド「OZZIO」シリーズの32V型液晶テレビ「OZZIO Crystallo(クリスタロ)3201」を発売。当初は「パソコン販売店がテレビを売ることに不安もあったが、予約開始後8分間で100台を完売」(広報担当)するなど、薄型テレビ市場参入の手応えを実感した。

 その後、「同 クリスタロ 3201」のほかに、7月からは、ハイビジョンに対応した「同 StyleVision(スタイルビジョン)」シリーズを新たに立ち上げ、50V型および42V型プラズマ、37V型フルハイビジョン液晶、32V型および27V型のハイビジョン液晶の計5モデルを7月中旬から順次販売開始、薄型テレビ市場に本格参入した。42V型プラズマの価格は14万9900円、37V型フルハイビジョン液晶は14万9900円などで、業界最安値をうたっている。これら5製品は、「発売後3か月間トータルで5000台の販売」(野島社長)を目指している。

 自社ブランドの薄型テレビは「クリスタロ」と「スタイルビジョン」の2つのシリーズによる展開となるが、今後はハイビジョン対応の「スタイルビジョン」を中心にラインアップの拡充を図っていく方針。「クリスタロ」はクイックサン(安達寛高社長)によるOEMで、「スタイルビジョン」についてはPCデポの企画によるバイ・デザイン(飯塚克美社長)からのOEM。

 PCデポが薄型テレビ市場に参入したのは、光ファイバーによるコンテンツ配信やインターネットによる画像配信市場を背景に、テレビの利用方法が単に放送を見ることだけでなく、多様化していることに着目したことから。

 「パソコン専門店側からの切り口でテレビの使い方を提案」(同)して、HDMIやPC接続端子など、各種端子を備えたうえでコストを抑えたことを強みに、パソコンやデジタル機器の設定が得意なユーザー層の獲得を狙う。

 現在、地上デジタルチューナーは搭載していないが、ケーブルテレビを通じて地デジ放送を見たり、光ファイバーによる映像配信を受信するセットトップボックス(STB)や、地デジチューナー内蔵DVD・HDDレコーダーなど、各機器とテレビをつないでテレビを見ることを想定。家電量販店が販売する大手家電メーカーの薄型テレビと差別化する。

 野島社長は、「家庭内では今後、パソコンを通さずに映像を見るという流れが加速するだろう」とみており、今回の薄型テレビの発売は、パソコンやデジタル機器、コンテンツの使われ方の未来像をにらんだ戦略としている。
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