店頭流通

三洋電機 「Xacti」ブランドを拡大 ポケットムービーカメラ市場を確立

2010/02/04 18:45

週刊BCN 2010年02月01日vol.1319掲載

 三洋電機は1月15日、ムービーカメラのブランド「Xacti(ザクティ)」をリニアPCMレコーダーに広げると発表。「ICR-XPS03MF」「ICR-XPS01MF」を1月下旬に発売する。グリーンやレッドのポップなカラーを揃え、タッチセンサーを初めて導入するなどデザインを一新。一方、ムービーカメラは縦型の「DMX-CS1」を2月19日に発売する。重さ約142gの軽量・薄型ボディで持ち運びに配慮したことで、日常のひとコマを撮影しやすくした。同社は高機能な横型タイプと一線を画す「ポケットムービーカメラ」を投入することで、市場規模の拡大を目指す。

 ムービーカメラ「DMX-CS1」は、ズボンのポケットに収まる薄型のボディが特徴。解像度1920×1080のフルハイビジョン撮影が可能で、撮像素子は1/5型のCMOSセンサー、35mmフィルムカメラ換算で38-380mmの10倍ズームレンズを搭載した(動画でアドバンストズームの場合)。音声機能を充実させ、カメラ正面の音を強調して録音する「ガンマイクモード」、ズームした被写体の方向に合わせて音を集める「ズーム連動モード」を新たに加えた。カラーはシルバー、ピンク、グリーンの3色。実勢価格は4万円前後の見込み。

 現在、デジタルビデオカメラのカテゴリーは、10万円前後の横型タイプと2万円以下の縦型タイプ「ポケットムービーカメラ」に分けられる。同社は2003年から「Xacti」を発売以来、後者に注力してきた。米国では手軽な縦型タイプが人気を集めているが、日本ではまだ市場が確立していない。「ポケットムービーカメラは一部のメーカーが参入するにとどまっているが、今後、日本の市場は伸びるとみている」(豊田秀樹・デジタルシステムカンパニーDI事業部DI企画部部長)と、今回の新製品でテコ入れを図る。

ムービーカメラ「DMX-CS1」

田渕潤一郎 執行役員
 一方、最近ではビデオカメラだけでなく、デジタルカメラでも高精細な動画が撮影でき、機能面での線引きがあいまいだ。ビデオカメラとしての価値が見出しにくい状況となっている。こうしたなか、田渕潤一郎・執行役員デジタルシステムカンパニーDI事業部事業部長は「スチルカメラとして戦っていく考えはない」と述べ、「Xacti」はあくまで動画で訴求していく方針だ。

 リニアPCMレコーダーのラインアップは、3マイクの「ICR-XPS03MF」と2マイク「ICR-XPS01MF」の2モデル。乾電池ではなく充電式バッテリを用いたことで、本体の厚さを約9.4mmと薄く仕上げた。普及機の「ICR-XPS01MF」にはシルバーに加え、レッド、グリーンというこれまでの同社のラインアップにはなかったカラーを採用。操作部にはタッチセンサーを搭載し、従来のICレコーダーによくみられる事務機風のデザインから大幅に変更した。「今までは50~60代の購入者が多かった」(豊田部長)ことから、ユーザー層の拡大を狙い、若者向きのデザインを採用したのだ。

リニアPCMレコーダー「ICR-XPS03MF」

 付属するクレードル型スピーカーは、「ICレコーダーに保存した音楽をスピーカーで聴くというニーズがあり、従来モデル『ICR-RS110MF』でその手応えを感じた」(同)ことを踏まえ、採用に至ったという。電源が乾電池ではないので、こまめな充電が必要になるが、クレードルを使えば本体をセットするだけで手軽に充電できるという利点もある。スピーカーはレコーダー本体の電源でも駆動し、ケーブルを気にせず好きな場所に設置できる。実勢価格は「ICR-XPS03MF」が2万5000円前後、「ICR-XPS01MF」が2万円前後の見込み。

 三洋電機はBCNランキングのリニアPCMレコーダーのジャンルで、09年12月のメーカー別販売台数シェアで56.4%、金額では43.3%と首位を獲得した。にもかかわらず、あえて「Xacti」ブランドを導入する理由は何か。田渕執行役員は「ブランドを使うことで競争力が発揮できる。また、世界市場での認知度はまだ低いので、そこを広げたい」と期待を寄せている。(井上真希子)
  • 1