店頭流通

ニコンイメージングジャパン 顧客満足の充実でリピーターを確保

2010/03/18 18:45

週刊BCN 2010年03月15日vol.1325掲載

 ニコンイメージングジャパン(西岡隆男社長)は、2月23日に開催したコンパクトデジタルカメラの製品発表会で、2010年の販売戦略を明らかにした。コンパクトデジタルカメラの春モデルは、8機種をラインアップしている。

西岡隆男社長
 同社の調査によると、コンパクトデジカメ購入者のうち、買い替え・買い増しが全体の約80%に達するという。購入に至った動機は、「暗いところで撮れない」「レスポンスが遅い」など、手持ちのモデルに対する不満が多い。これらの不満点を解消するため、春モデルでは機能の見直しを行い、スペックに反映した。西岡社長は「『S8000』の初動に手応えを感じているし、『S6000』にも期待している」と自信をみせた。

 広告のイメージキャラクターには、引き続き木村拓哉を起用。量販店には、広告イメージを前面に出した展示台を置き、作例を用意して、店舗スタッフが製品をお客に訴求しやすくする。さらに、スタッフ向けの製品勉強会や、同社の営業担当者による店内ディスプレイの講習会を実施。「地道な取り組みだが、売り上げにつながると確信している」と期待を示した。

 2009年は、コンパクトデジカメ市場が低迷した年だった。BCNランキングでは、3月から12月まで、販売台数・金額は前年割れで推移。10年1月にようやく107.9%となって、2月は105.9%とやや回復の兆しが見えてきた。ただ、メーカー別にみたニコンの動きは低調で、2月は台数ベースで8.6%の6位に留まっている。春モデルで、どの程度テコ入れできるかが課題だ。

 一方、主力のデジタル一眼レフカメラは好調だ。BCNランキングの一眼カメラ市場は、2月の対前年同期比で販売台数127.9%、金額122.7%と活況を呈しており、なかでもエントリーからプロ向けまで7機種を揃えるニコンは、販売台数ベースのメーカーシェアで33.7%を獲得して首位に立っている。西岡社長は「一眼を使いたいという潜在的なニーズはまだある」と捉えており、「2010年は特色のあるレンズに力を入れていく」と語った。

 サービスでは、顧客満足(CS)の向上に力を入れる。例えば、3月から「普通修理」に該当する修理に機種別の一律料金制を導入。スムーズにサービスを受けられるようになった。また、同社サービス窓口に持ち込み・送付した修理品の送料無料化を実施している。

 また、写真教室「ニコン カレッジ」は、現在常設する東京2校、大阪1校に加え、4月に横浜ランドマークタワー校を開設するなど、引き続き写真文化活動を推進する。これらのCS向上施策によってブランドイメージを高め、ニコン製品を繰り返して購入する新たなファンをつくっていく構えだ。(井上真希子)

暗い場所でもキレイに撮れる春モデル「COOLPIX S6000」
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