店頭流通

アイ・オー・データ機器 低価格で独自規格HDDの普及目指す

2010/04/15 18:45

週刊BCN 2010年04月12日vol.1329掲載

 アイ・オー・データ機器(細野昭雄代表取締役社長)は2010年3月、独自規格のカートリッジ式HDD「REC-iN(レックイン)」を発売した。東芝の液晶テレビ「REGZA(レグザ)」向け製品として市場に投入する。同社はさまざまな機器と互換性をもつカートリッジ式HDDとして、ISO/IECが国際標準規格として承認する規格「iVDR」を初めて世に送り出したメーカー。自社開発のHDD製品化の背景について、担当者に聞いた。

液晶テレビ向け製品として投入

北村泰紀
シニアリーダー
 アイ・オー・データ機器は、「REC-iN」を製品として具現化する構想を09年2月から立てていた。10年3月に製品化して市場に投入した理由は、テレビが売れる春商戦の時期に合わせるためだ。現段階では、iVDRとの互換性はないが、北村泰紀・第1開発本部ネットワーク&ストレージ開発部ネットワークストレージ開発課企画担当シニアリーダーは「『REC-iN』単独でビジネスが成り立つ」と自信をみせる。

 「REC-iN」のHDDサイズは2.5インチ。北村シニアリーダーによると、現在、2.5インチのHDDは3.5インチに容量が近づいている。これに伴い、容量あたりの価格の差がなくなってきている。「品質面では、3.5インチよりも2.5インチのほうが高性能といっても過言ではない」とメリットを強調する。

 2.5インチのHDDなら、「REGZA」の横に置いた場合、電源とデータ伝送の配線がUSBケーブル一本で済み、すっきりする。一方、3.5インチのHDDは、データをやりとりするUSBケーブルに加えて電源ケーブルが必要。それに比べると見映えの点で優れている。さらに、カートリッジ式は「容量を小分けにして使えるのが利点」として、据え置き型のHDDと差異化を図った。

 実は、独自規格のHDDは今回の製品が初めてではない。法人向けのRAID用として、カートリッジ式の3.5インチHDDを3年前に製品化している。HDDの価格の下落を睨み、カートリッジ式にすれば売れると見込んだ。しかし実際は、想定したほど価格は下がらず、大きな手応えは得られなかった。3.5インチは2.5インチよりも内部のディスクを保護する頑丈なきょう体が必要で、そのコストがネックとなった。

 「REC-iN」は、一般的なHDDよりも容量あたりの価格を下げて提供している。その点がユーザーに認知されれば売れる、と北村シニアリーダーは予測する。「REC-iN」はHDDのほか、10年中に対応機器の発売を検討している。(井上真希子)
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