店頭流通

家電量販店 3Dは最高画質モデルの付加価値として訴求

2010/07/01 17:00

週刊BCN 2010年06月28日vol.1339掲載

 パナソニックが、各社の先陣を切って投入した3D対応テレビ「3D VIERA(ビエラ)」。登場以来、家電量販店のテレビ売り場では、「3D VIERA」のデモコーナーがひときわ目立つ存在になった。

 都心の店舗だけでなく、郊外型の量販店でも顧客の関心が高く、デモコーナーにはファミリー層が列をつくっている。埼玉県羽生市のショッピングモール「イオン羽生」の上新電機羽生店では、「土日になると、いまだに列ができる」(武井祐二主任)ほど。ただし、実際に購入するのは100人に1人程度だという。BCNランキング(5月31日~6月6日)でも、3Dテレビの販売金額規模は、薄型テレビ市場の3.0%、台数ベースでは0.9%にすぎない。実際の購入は、まだまだ少ないのが実態だ。

 現状では、まだ3D放送のコンテンツは限られ、3D映像のBDタイトルは年末まで待たねばならない。売り場では、家庭で3Dテレビを視聴するメリットを訴求しにくいのが実情だ。「3D映像が見たいから3Dテレビを買うというより、最高画質のモデルが、たまたま3Dに対応していた」(浅野洋輝・ビックカメラ新宿西口店専門相談員アドバイザー)というのが正直なところかもしれない。ビックカメラ新宿西口店、上新電機羽生店のほか、ベスト電器日吉東急店(神奈川県横浜市)の売り場でも、3Dを最高画質モデルの付加価値として、お客様にアプローチしている。

 3D対応テレビは、パナソニック、ソニーに続き、シャープが7月末に発売予定。さらに東芝、三菱電機も今夏の投入をすでに表明している。対応テレビのラインアップは充実していくが、消費者にとっては、3Dコンテンツを見るかどうかは別として、上位モデルを選ぶと「3D“も”見られる」というのが、自然な流れになりそうだ。(田沢理恵)

ビックカメラ新宿西口店(左)、上新電機羽生店(右)の3D VIERAコーナー
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