地域No.1店舗の売れる秘訣

<地域No.1店舗の売れる秘訣 あの人気店はこうしてつくられた>ドスパラ浜松店――顧客の幅を広げることに成功 サポートとデジタル雑貨に力を注ぐ

2015/02/12 18:44

週刊BCN 2015年02月09日vol.1566掲載

 静岡県浜松市にあるパソコン専門店のドスパラ浜松店が顧客層の幅を広げている。3年ほど前までは、パソコンのヘビーユーザーの男性が主要顧客だったが、今では男女を問わずパソコンのライトユーザーはもとより、近隣に住む高齢者なども顧客として獲得している。これは、パソコンの修理をはじめとするサポートに力を入れただけでなく、デジタル雑貨ブランド、上海問屋の品揃えを拡充したことが大きな要因だ。(取材・文/佐相彰彦)

 

ドスパラ浜松店

小西鎌太 店長
【店舗データ】
住所:静岡県浜松市中区曳馬6-22-26
オープン日:1999年4月
売り場面積:約170m2
従業員数:3人

【店長が語る人気の理由】
 新卒で入社して、秋葉原電気街で研修を受け、大阪のでんでんタウンを経験。その後、浜松店に異動した。浜松店で勤務して1年程度が経過したときに店長に就任。この間、わずか2年程度だ。

 入社時から意識していたのは、「誰もがドスパラでパソコンを購入する環境をつくる」ということ。そのため、ライトユーザーの来店を促す策を講じた。商品やサービスを充実させただけでなく、「誰もが理解できる接客を心がけた」。ライトユーザーに対しては専門用語は決して使わずに「お客様の困りごとをヒアリングしながら、どれが最適なパソコンなのか、お客様自身がわかるようにする」。これが顧客層の拡大につながった。
 

家電激戦区の浜松市 主要各社が出店

 人口81万を超える浜松市には多くの家電量販店やパソコン専門店が出店している。ヤマダ電機やビックカメラグループ、エディオン、ケーズデンキなど、全国のさまざまな地域に店舗を構える家電量販店、リサイクルショップのオフハウスやハードオフ、パーツ専門店のマルツなどを出店しているマルツ電波グループ、静岡県を本拠地とするZOAなどだ。

 ヤマダ電機がテックランドとして浜松本店と浜松中央店、浜北店、浜松西店の4店舗、エディオンがフィルタウン浜松小豆餅店、浜松和田店、浜松半田店、イオンモール浜松志都呂店の4店舗、ケーズデンキが浜松市野店と浜松入野店、プレ葉ウォーク浜北店の3店舗と、大手家電量販店3社はドミナント(高密度多店舗展開)で浜松市のシェアを高めようとしている。ビックカメラグループはJR浜松駅前にビックカメラ浜松店、住宅街の中区高林にコジマ×ビックカメラを出店。駅前型店舗と郊外型店舗という2種類の形態で駅を利用する出張中の会社員や地元住民など多くの顧客を獲得している。ZOAはOAナガシマ浜松本店を出店しており、来店したことがない地元住民がいないほど知名度が高い。組み立てパソコン用パーツの品揃えは県下一であり、販売シェアもトップだ。マルツ浜松高林店は、オフハウス・ハードオフとの融合店舗として、パソコンパーツのユーザーだけでなく学生やファミリーの来店も多い。しかも、マルツ浜松高林店自体、パソコンパーツに加えて電子部品やアマチュア無線関連商品を揃え、法人も顧客になっている。

 家電激戦区である浜松市のなかで、パソコン専門店のドスパラも店舗を構えておよそ16年。最近では、「お客様の層が広がった」と、小西鎌太店長は自信をみせている。
 

浜松市のなかでOAナガシマ浜松本店がパソコンパーツ販売のシェアが最も高い
 

ドスパラ浜松店の近くにはパーツ専門店のマルツ浜松高林店がある

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