地域No.1店舗の売れる秘訣

<地域No.1店舗の売れる秘訣 あの人気店はこうしてつくられた>ビックカメラ渋谷東口店(上)――新たに別館をオープン 売り場面積が3000m2規模に

2015/02/19 18:44

週刊BCN 2015年02月16日vol.1567掲載

 ビックカメラは、旗艦店の一つ、東京・渋谷にあるビックカメラ渋谷東口店の強化に踏み切った。まず1月28日、新たに別館がオープン。これによって、渋谷東口店は「本館」と「別館」の2館体制になった。その本館は、2月5日にリニューアルオープンした。渋谷駅周辺の都市再開発が進んで、街への来訪者がますます増えている状況にあわせて、ビックカメラは売り場面積全体を3000m2規模まで拡大し、大幅な顧客増を狙う。(取材・文/佐相彰彦)

 

ビックカメラ渋谷東口店(上)

江澤哲也 別館館長
【店舗データ】
住所:東京都渋谷区渋谷1-24-10
オープン日:2015年1月28日
売り場面積:約1430m2
従業員数:50人程度(正社員)

【店長が語る人気の理由】
 都心の店舗で業務に携わった経験が豊富で、赤坂見附店では立ち上げに参画した。その実績が認められて、渋谷東口店別館をオープンする際に館長に就任。「渋谷東口店にいらっしゃってくださっていた、これまでのお客様がさらに喜ぶのはもちろん、あまりなじみのなかったお客様に何度も足を運んでもらえるような店舗づくりに取り組む」という。

 都心をよく知る人物ということもあって、情報の収集には長けている。「渋谷は、幅広い年齢層が訪れるようになって、ますます賑わいをみせている。豊富な情報が必要」と気を引きしめる。今は、地域特性とお客様を知るために勉強中。得た知識を店舗づくりに反映していく。
 

駅前の都市再開発で来訪者が増加 アーリーアダプタを獲得

 JRをはじめ4社の鉄道が乗り入れて、都内最大級のバスターミナルがあるなど、都市活動拠点の渋谷駅。駅周辺は、2005年に特定都市再生緊急整備地域として指定されて、複数の大型開発プロジェクトや区画整理事業が進んでいる。高層複合施設の渋谷ヒカリエが渋谷駅東口に竣工したのは記憶に新しく、2012年4月のオープンから4か月で1000万人、1年後に2200万人と来館者を増やしていて、渋谷の街を活性化させている。

 家電量販店では、1990年代にビックカメラが渋谷に進出して、今では渋谷東口店と渋谷ハチ公口店の2店舗展開で顧客を集めている。東京では、池袋に次ぐ出店ということもあって、渋谷の2店舗は旗艦店として位置づけられている。

 ビックカメラ渋谷ハチ公口店と渋谷東口店の競合店として、ヤマダ電機が都市型店舗のLABI渋谷を2008年にオープン。5000m2規模の売り場面積をもち、若者から会社員まで幅広い層が来店している。

 ビックカメラとヤマダ電機が激しい競争を繰り広げるなかで、主要な家電量販店が最先端のデジタル機器や白物家電を販売する店舗も存在感を高めていて、今では渋谷は家電の街として定着している。加えて、ビックカメラは、区画整理事業で街が活性化していることから、渋谷地区の強化を決断。渋谷東口店として新たに別館をオープンすることになった。

 江澤哲也・別館館長は、「オープン当日は、予想以上にお客様がいらっしゃった」と満足げだ。しかも、「新しい店づくりで、リピーター率が高まり、新規のお客様も獲得しやすくなる」と捉えている。
 

渋谷ヒカリエによって渋谷駅東口の集客力がアップした
 

渋谷駅周辺には都市型店舗のヤマダ電機LABI渋谷がそびえ立つ

[次のページ]