地域No.1店舗の売れる秘訣

<地域No.1店舗の売れる秘訣 あの人気店はこうしてつくられた>コジマ×ビックカメラ所沢店――リニューアルでファミリーが急増 デジカメと玩具で商圏を広げる

2015/03/26 18:44

週刊BCN 2015年03月23日vol.1572掲載

上位機種の購入が多い 値下げせず高い客単価を確保

 コジマ×ビックカメラ所沢店にリニューアルした後の顧客による店の評価を鈴木店長は、「常連のお客様から売り場が変わって来やすくなったとの声をよく聞く」とアピールする。リニューアル後はデジタル機器を1階に変更。入口近くに、ビックカメラが得意とするデジタルカメラコーナーを設置。とくに、デジタル一眼カメラ用交換レンズを約120種類取り揃えて「カメラが趣味のお客様にも対応できるようになった」と自己評価している。また、イヤホン・ヘッドホンも品揃えの充実を図って、通勤や通学で音楽を聴く会社員や若者の来店を促している。

ビックカメラが得意とするデジタルカメラコーナーを設置

 デジタル機器の品揃えが充実したことによって、常連客を満足させるだけでなく、「子どもを連れたファミリーがいらっしゃるようになった」と、鈴木店長は新規顧客を獲得していることに満足している。とくに30代前半で子どもが幼児のファミリーが来店しているという。そのようなファミリーがデジタル機器の最新機種を購入することに加えて、「新しく取り扱いを始めた玩具も購入してくださる」という。これまでコジマ×ビックカメラでは、相性がいいという理由でデジタル機器と玩具を同じフロアで販売していたが、今回は白物家電と玩具を同じフロアに設置した。鈴木店長は、「子どもを玩具コーナーで遊ばせて、スタッフから白物家電について、しっかりと説明を聞いてくださる場面が多い。これまでと異なったレイアウトも、お客様を喜ばせることにつながるということがわかった」としている。

白物家電と玩具を同じフロアに設置した

 現在、デジタル機器と白物家電の売上構成比は「リニューアル前まで白物家電のほうが高かったが、今は逆転している」と、鈴木店長は言う。しかも、白物家電は前年と比べて伸びている。「各アイテムのラインアップが増えて選択肢が広がり、お客様は上位機種を購入されるようになった」(鈴木店長)という。また、買取カウンターの設置によって「お客様がお使いのデジタル機器を買い取りに出して、そのお金で新品を購入してくださる」。買取制度のおかげで顧客からの値下げ要求が少なく、「客単価は高いほう」とのことだ。

買取カウンターの設置によって

 新規顧客の獲得に成功しているだけでなく、常連客である高齢者の来店頻度も増えている。これは、「地域密着型の郊外店であることが大前提で、サポート面を追求しているため」と、鈴木店長は自負する。地元に根づきながら最新機種を販売することによって、コジマ×ビックカメラ所沢店の顧客数は前年同期と比べて5%程度は確実にアップした。リニューアル前よりも商圏は確実に広がっている。新規顧客の開拓に引き続き力を入れながら、「リピーターを増やす取り組みを進めていく」と、鈴木店長は意気込む。

常連客である高齢者の来店頻度も増えている

【人気の理由】
・最新機種の品揃えを大幅に増加
・子ども向けに玩具の取り扱いを開始
・常連客の信頼を高めるサポート