気になるアイテムを徹底分析

<気になるアイテムを徹底分析>店舗スタッフに聞く売れ筋商品――ロボット掃除機(1)

2015/06/25 16:51

週刊BCN 2015年06月22日vol.1584掲載

コジマ×ビックカメラ成城店
安藤博一氏

ロボット掃除機は季節に関係なくコンスタントに売れて顧客層も幅広い
 米アイロボットの「ルンバ」が登場したことによって、新しい市場として形成されたロボット掃除機。車輪がついている一般的な床移動式型やスティック型などの掃除機が多いなかで、ロボット掃除機は、消費者がどのような用途で購入し、家電量販店がどのように位置づけて販売しているのだろうか。

 東京・成城に出店しているコジマ×ビックカメラ成城店。この店は、ビックカメラグループのなかで、掃除機の販売でトップレベルの実力をもつ。成城の住宅街にあるという立地を生かして、高齢者から幼児など小さな子どもがいるファミリーといった幅広い顧客層を獲得し、高所得者が来店する傾向も高い。そんななか、「ロボット掃除機は、盛り上がっている商品の一つ」と、白物家電を中心にさまざまなアイテムの販売で豊富な経験をもつ同店スタッフの安藤博一氏は説明する。

コジマ×ビックカメラ成城店ではロボット掃除機を実際に体験できるデモコーナーが充実

 それは、「各メーカーによる製品のラインアップが充実してきたため」という。ロボット掃除機の立ち上がり時期は「ルンバ」がメインだったが、今ではシャープや東芝、パナソニックなどの国産メーカーが参入。吸引力に定評のあるダイソンも製品を市場に投入することを発表している。品揃えの充実で関心を高める消費者が増えて、「ロボット掃除機を初めて購入される新規のお客様を獲得している」と安藤氏は満足そうに語る。

 コジマ×ビックカメラ成城店の近くには、戸建てやマンションが建ち並ぶ。共働きであったり、主婦がさまざまな教室に通っていたり、ほかの家事をしながら掃除も済ませたりと、各家庭によってロボット掃除機の用途は異なるが、「掃除の時間を効率的に使いたいとの理由で購入されるケースが多い」という。購入者の多くはロボット掃除機をリビングで使用し、リビング以外の部屋は車輪型やスティック型の掃除機を使うのが定番のようだ。

 価格については、1万円程度のモデルから10万円弱のモデルまで幅広い。そのため、コジマ×ビックカメラ成城店では、さまざまなロボット掃除機の動きや機能を比較することができるデモコーナーを用意。「実際にロボット掃除機を体感すると、上位モデルのほうがゴミやホコリをより強力に吸い取るということで購入につながりやすい」と安藤氏は説明する。

 ロボット掃除機は、「1年を通じてコンスタントに売れている。大きな落ち込みがなく、収益が確保できる」という。今は夏のボーナス商戦の時期。各メーカーによるラインアップが揃っていることからも、「販売増に期待している」とのことだ。

メーカー各社によるロボット掃除機のラインアップが豊富になってきた
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