売れ筋戦略 トップに聞く

<売れ筋戦略 トップに聞く>来年で発売30周年の「桐」 根強いファンに支えられ

2015/11/12 16:51

週刊BCN 2015年11月09日vol.1603掲載

管理工学研究所
立壁克之
代表取締役社長

1981年4月、日本無線に入社。85年10月、日本シュルンベルジェに入社。88年9月、管理工学研究所に入社。2007年、東京分室ゼネラルマネージャに就任後、2010年1月、代表取締役社長に就任。
 管理工学研究所の日本語データベースシステム「桐」は、1986年の販売開始から2016年で30周年。同社は、日本のコンピュータ産業の黎明期の1967年に、ソフトウェア専門メーカーとして誕生した。今でいうベンチャーの草分けだ。立壁克之社長は「『桐』は根強いファンに支えられ、再び息を吹き返している」と語る。

 「桐」は官公庁や大手企業、中小企業、個人まで幅広い層に根強いファンがいる。現在まで累計で200万以上のユーザーに親しまれ、複雑なプログラミングをしなくても、画面を見ながら手操作で必要なデータを抽出できる使い勝手のよさが評価されている。

 1995年の「Windows 95」の登場で、マイクロソフト製のOSが普及するにつれて販売本数は減っていった。会社経営も、携帯電話のソフトウェア開発や医療機関向けの電子カルテ(XDS地域医療連携システム)など法人向け事業を強化していった。

 「桐」のバージョンアップやバグの修正などのサポートは続けてきた。そうこうしている間に来年で30周年。「桐」を購入したユーザーが、その間もずっと使い続けて支えていたのだ。

 今年はファンに向けて「30周年カウントダウン」と称する「桐 sp1」「桐 sp2」をリリースした。「来年の30周年は、新しいサービスを発表するので期待してほしい」と立壁社長は意欲を燃やす。(BCNランキング 細田立圭志)
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