■上位には明るい見通し戻る
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情報サービス業208社の業績集計 開発系SIerの業績に明るさ戻る 上位陣で04年度上半期ランキングから順位を5レベル以上上げたのはヤフー(04年第23位→05年15位)、インボイス(26位→21位)、住商情報システム(31位→26位)、日本ユニシス・ソリューション(33位→28位)、シーエーシー(41位→33位)。
反対に順位を5レベル以上下げたのはCSKホールディングス(3位→10位)、ネットワンシステムズ(20位→25位)、日本ビジネスコンピュータ(25位→30位)だった。
売上高伸び率で見ると、ヤフー、インボイス、日本ユニシス・ソリューションズ、住商情報システム、トレンドマイクロなどが高い数値を示しているが、このうち住商情報システムは昨年8月1日付で住商エレクトロニクスと合併したことに伴うもの。
またNTTコムウェア、野村総合研究所、富士ソフトABC、トランスコスモスなどは安定した伸びを見せ、好調を維持している。「通期連結売上高1000億円超の見通しがついた」(トランスコスモス・谷澤寿一副会長)など、明るい見通しを口にする経営者が少なくない。
減収率が最も大きかったのはCSKホールディングス(マイナス36.9%、減収額647億8000万円)、次いで日立ソフトウェアエンジニアリング(マイナス22.7%、減収額213億5800万円)だった。CSKホールディングスは旧CSKの機器販売事業をグループ会社に移管したことが影響し(影響額マイナス133億5000万円)、日立ソフトは04年度から推進しているハードウェア販売の縮小(04年度同期比マイナス55.5%)が要因となっている。
上位50社のうち営業利益が増加したのは29社、減少したのは15社、04年上半期の実績未公表のため比較なしが6社だった。大幅増に転じたトランスコスモス、シーエーシー、NECネクサソリューションズの3社は、04年度上期実績が低かったため。営業利益が欠損となったのは電通国際情報サービスとネットマークスの2社だった。
■大塚商会は経常利益36%増 上位50社のうち営業利益が62.5%減のカプコン、58.3%減のスクウェア・エニックスは、ゲーム機の世代交代が影響した。両社とも年末・お年玉商戦での新作ゲームとオンライン・ゲーム事業が好調に推移しており、通期での落ち込みは「想定内」というところ。
開発系SIerで営業利益を大幅に落としたCSKホールディングスは、新規事業として取り組んでいるヘルスケア分野向け研究開発投資12億円、ホールディング・カンパニー制への移行に伴う事業移管費が影響した。しかし売上原価は76.6%から68.3%に圧縮され、収益構造は急テンポで好転しつつある。
経常利益が04年度同期比増となったのは28社、減は14社、比較なしは8社だった。トップはヤフー、第2位は野村総合研究所、第3位はNTTデータ、第4位はコナミだった。第5位の大塚商会は04年度同期比35.8%増と経常利益を大きく伸ばし、NTTデータに10億円に迫っている。
営業利益、経常利益ともに大幅なダウンとなったTISは連結ベースの売上高でアウトソーシング事業とシステム販売事業の落ち込み(それぞれマイナス30億4100万円、マイナス54億1900万円)をソフトウェア開発事業が補った(プラス64億9300万円)。しかし売上原価が82.1%から84.3%に、販売費・一般管理費が10.7%から12.0%にそれぞれ上昇したことが影響した。
上位50社の営業利益率の平均値は6.42%(補正値は6.38%)、経常利益率の平均は6.13%(同6.09%)だった。営業利益率は04年度中間業績から0.62ポイント、経常利益は0.87ポイントの改善となった。売上原価と販売・一般管理費を圧縮する努力が実を結び、収益率は上向きの傾向にある。
■準大手SIerが足踏み 51位-100位の株式公開状況は、非上場が14社、1部・2部上場が各13社、ジャスダックが8社、ヘラクレスが2社となっている。ここには本来であればトップ50入りしておかしくない創業30年以上の独立系ソフト開発/情報処理サービス系企業(日本システムディベロップメント、日本電子計算、アイネス、富士通BSC、日本システムウエア、菱友システムズ、SRAなど)が、足踏み状態でとどまっている。
またニッセイコム、コベルコシステム、関電システムソリューション、さくら情報システム、オージス総研など非上場のユーザー系企業が目につく。
51位-100位の売上高合計は前年度同期比8.6%増の5943億8300万円(補正値は7.0%増の5858億900万円)で、伸び率は1位─50位と比べ約5ポイント高かった。
しかし開発系SIerの富士通BSC、シーエーシー、日本システムウエア、インフォコム、アルゴ21など独立系が軒並み減収した。各社とも通期では増収を予想しており、中間期での調整(不採算案件の清算等)と見られる。
04年度決算で欠損となった日本電子計算が黒字に転換した。しかし得意分野の証券、地方公共団体向けシステム販売や情報処理サービス事業は競争の激化が予想されることなど、社長交代に伴う新体制で臨む下期の業績が注目される。
アイネスは地方公共団体向け不採算プロジェクトの発生が収益を悪化させた。「リプレースに伴うデータ移行に予想以上の手間がかかった」(林代治社長)という。プロジェクト管理体制や適正見積り手法の確立などが業績回復のカギとなる。
SRAも不採算プロジェクトの処理が営業利益のマイナスに作用した。「チーム編成や技術者配置の見直し、インドを軸とするオフショア開発の活用などを推進する」(鹿島亨社長)としている。
売上原価を見ると、日本電子計算が83.1%(04年度同期比マイナス10.4ポイント)と大幅に改善したのに対し、アイネスは95.7%(プラス11.9ポイント)、SRAは86.6%(プラス4.9ポイント)とそれぞれ悪化した。営業利益率が10%台の開発SIerも少数だがランク入りしており、他のソフト開発/情報処理サービス系企業にはいっそうの生産性向上が求められる。
■5レベル以上の交替組が激突 04年上期のランキングから5レベル以上アップしたのはインターネット総合研究所系列のアイ・エックス・アイ(101位→57位)、日本生命系列のニッセイコム(65位→59位)、GMOインターネット(79位→63位)、理経(83位→66位)、フェイス(74位→68位)、関電システムソリューションズ(81位→71位)、両備システムズ(104位→83位)、SJホールディングス(149位→91位)、セブンシーズホールディングス(109位→93位)、エー・アンド・アイ システム(105位→100位)の10社だった。
これに対して5レベル以上ランクが下がったのは菱友システムズ(57位→64位)、オージス総研(63位→70位)、さくらケーシーエス(69位→76位)、コア(72位→77位)、セゾン情報システムズ(64位→78位)、NTTデータ三洋システム(71位→79位)、さくら情報システム(73位→80位)、アルゴ21(70位→81位)、三井情報開発(77位→85位)、沖ソフトウェア(80位→86位)、ミロク情報サービス(78位→89位)、安川情報システム(84位→92位)、キーウェアソリューションズ(89位→95位)、日本コンピューター・システム(87位→96位)、NECソフトウェア九州(91位→97位)など17社だった。
51─100位では、激しい入れ替え戦が続いている。そればかりか101以下にはネット・サービス系、ゲーム/コンテンツ系、ソフト販売系の成長企業がひしめいている。開発系SIerの“足踏み”が続けば、業界地図に、より激しい変化が起こることは間違いない。
・続けて「05年度上期決算の上位200社分析(下)」を読む ■情報サービス企業
2005年度上半期連結売上高ランキング(PDF)
・1-100位・101-218位