SAPジャパン(ギャレット・イルグ社長)は、中堅・中小企業(SMB)向け販売チャネルの強化を図っている。2010年8月1日付で、地域統括営業本部からチャネル営業部を分離して、チャネル営業本部に昇格。年商500億円以下のSMBを中心に、「市場セグメントに関係なくパートナー支援ができる体制を整えた」(柳宇徹・チャネル営業本部本部長)。チャネル営業を支援するプログラムやソリューションを用意するパートナー本部と連携し、シェア拡大を目指す。
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| 柳宇徹・チャネル営業本部本部長 |
SAPジャパンは、ユーザーの年商規模や市場セグメントに限定されず、横断的にパートナー支援ができるようにチャネル営業本部を整備した。チャネル営業本部の人員は15人前後。半分ほどの人員は地域統括営業本部からの異動となった。柳本部長自身は、地域統括営業本部チャネル営業部ディレクターからの抜擢。「これから増員していく」(柳本部長)方針で、15人ほどの人員を抱えるパートナー本部と「一つのチームのようになって」(同)パートナー支援に当たる。
例えば、拡張ビジネスプログラムであるExtended Business Program(EBP)の推進にあたり、チャネル営業本部とパートナー本部が連携して、販売店へのEBPの提案や地場SIerの取り込みを図っている。地域カバレッジを広げることが狙いだ。
1次店支援などに従事するチャネル営業本部のチャネル営業マネージャー(15人前後)は、「Extend Business Member」(EBM)の募集・選定で地方全国を回っているパートナーリクルーター1人と密に情報を共有。チャネル営業本部が1次店に加え、EBM、地方SIerの動向を把握しやすくなっている。それに加えて、インサイドセールス(内勤営業)部の電話営業部隊20~30人との連携も模索している。
EBPは、販売パートナープログラム「PartnerEdge」から主軸パートナーの1次店を選定。EBMを新設し、1次店に10社程度の2次店が連なるようにパートナーの拡充を進めている。現在、1次店は2社で、さらに2社増やす考えだ。 同社は、日本での総売上高に占めるSMBの売り上げ比率を、2~3年の間に30%にまで引き上げる方針を掲げる。前述した組織再編によるパートナー支援の強化のほか、BIソリューションなどの拡充、幅広い業種への展開で実現を目指す。「SAPは、製造業をメイン顧客としてきた。その分、医薬や流通系、テレコム系などにはあまり入り込めていなかった」(柳本部長)。こうした弱点を補っていくというのだ。
このほか、値段が手頃なエントリーパックなどを用意して、1次店に販売してもらうマーケティング活動も強化している。柳本部長は「SAP BusinessObjectsは、ウイングアークテクノロジーズの『Dr.Sum』と比べて、エントリーレベルで工夫してきた。SAPは高額というイメージがあるが、それは事実と反する」と話す。
全国の地場SIerを販売パートナーとして募る活動に注力してきた同社。パートーナーリクルーターの人員を増やす予定はないようだが、チャネル営業本部との連携による効果はこれから出てくるはず。SMBビジネスで攻勢をかけるSAPジャパンの動向は、注目に値する。(信澤健太)