ユーティースターコムジャパンは、日本オラクル製UNIXサーバーを活用して、IPテレビ関連ソリューションを提供している。その同社は今夏、ある悩みを抱えてしまった。利用していたUNIXサーバーの有償保守サービスを、日本オラクルが打ち切ってしまったのだ。「万一、故障した場合、どうすればいいのか…」。そんな担当者の苦悩を解決したのは、国際産業技術(KSG)だった。同社が販売する保守サービスを利用することを、ユーティースターコムが決断した理由は極めてシンプル。“オンリーワン”だったからだ。
ユーティースターコムジャパン
会社概要:ネットワークの構築・運用サービスと、通信関連機器の販売事業がメイン。主な顧客は通信事業者で、通信事業者が企業・団体や消費者に対して回線サービスなどを提供するためのインフラ構築・運用を手がける。
サービス提供会社:国際産業技術
サービス名:UNIXサーバーの保守サービス
KSGが提供している保守サービス
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| ユーティースターコムジャパンの細野裕一・シニアテクニカルサービスエンジニア |
ユーティースターコムジャパンは、ある大手通信事業者にIPテレビ(IPTV)関連システムを提供している。この通信事業者は、ユーティースターコムのインフラを活用して、ユーザーにIPTVサービスを手がけているわけだ。システムに利用するハードウェアには、旧サン・マイクロシステムズ(現日本オラクル)製のUNIXサーバーを採用。万一、トラブルが起きた場合に備えて、有償の保守サービスを契約していた。その保守サービスを打ち切られてしまったことが、ユーティースターコムがKSGに仕事を発注するきっかけになった。
「契約更新時期が迫ってきて、いつものように見積もりを依頼したら、『そのサービスは終了します』と告げられた。機器にトラブルが発生した場合、保守サービスが受けられないのではお手上げ。正直なところ、困り果てていた」と、ユーティースターコムの細野裕一・ジャパンサービス部シニアテクニカルサービスエンジニアは、当時の心境を打ち明ける。
サーバーの修理・故障サービスは、メーカー以外にも複数のIT企業が提供している。細野氏は、利用しているUNIXサーバーの保守サービスを提供してくれるIT企業はいないか、ウェブサイトを通じて大急ぎで調べ、KSGの存在を初めて知った。KSGに任せることを即断したのは、「同等のサービスを提供しているIT企業はKSG以外になかったから」(同)である。
メーカーがサポートを打ち切るということは、故障した部分を修理するための部品が手に入らなくなるということを意味する。IT企業は保守サービスを提供したくても提供できなかったのだ。細野氏は、KSG以外にも複数のIT企業に問い合わせたが、それが理由で断られた。
それなのに、KSGが請け負うことができたのはなぜか。KSGは、コンピュータの販売事業がメインのIT企業で、強みは新品だけでなく中古製品の販売も手がけられること。KSGが独自の審査基準を設け、それに合格した機種に独自の保守サービスを加えて、中古のハードウェアを販売している。そして、もう一つの要素がUNIXサーバーに精通していることだ。KSGは、「UNIX本舗」と呼ばれる店舗を経営するなど、UNIXサーバーの販売に強い。UNIXを得意にし、中古品(部品)を収集できる体制をもつ。これが、メーカーがサポートを終えても、保守サービスを提供できる理由だった。「UNIX関連の部品であれば、大半のものを手に入れるパイプが当社にはある」(KSGの立花和昭社長)。

国際産業技術の立花和昭社長(左)と、プロジェクトを担当した正岡勝利・上級主任
ただ、これまでと違って、万一障害が発生した場合に故障部品に代わる部品は新品ではなく、中古品になる。細野氏は、「最初は不安だったが、考え方次第だと思う。新品でも製造してしばらく経ったものは動かないことがある。一方、使われてきたというのは、言い方を換えれば動作検証が済んでいるということ。だから、それほど気にしていない」と話す。
もしKSGを知らなければ、「数億円をかけてシステムを総入れ替えしなければならない事態も考えられた」と細野氏。KSGとの出会いでユーティースターコムは救われたのだ。(木村剛士)
3つのpoint
・同等のサービスを提供するIT企業がなかった
・問い合わせたら、その日に営業担当者が駆けつけてきた
・UNIXサーバーの販売、保守サービスに対する実績と歴史