コンタクトセンター(CC)向けの品質管理ソリューション「Avaya Aura Workforce Optimization(WFO)」を展開する日本アバイア(ロバート・スチーブンソン社長)は、2012年、「WFO」専用のコンサルティングサービスに力を注ぐ。「データの活用」を切り口としたコンサルティングによって、「WFO」の販売拡大を目指している。
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アバイアプロフェッショナルサービス部 李浩己 シニア・コンサルタント・エンジニア |
日本アバイアは、CCでの顧客との通話を録音し、その内容を分析する「スピーチ・アナリティクス」機能などをもつ「WFO」を、2010年に発売した。しかし、「WFO」の機能を経営改善にフル活用するには高度なスキルが必要とされ、これまではユーザー企業が「WFO」を導入・運用する際のハードルは高かった。そうしたネックを解消するために、日本アバイアは、2011年11月、「WFO」専用のコンサルティングサービスを開始した。
日本アバイアが新サービスのキーワードとしているのは、「データの活用」だ。昨年、新たに採用した「WFO」の専用コンサルタントが、スピーチ・アナリティクス機能が自動分析した結果から、顧客の潜在的なニーズやCC運営上の課題を導き出し、製品やサービスの改善について提案を行う。つまり、日本アバイアが、顧客の声の収集から情報の活用までの過程を、ワンストップで提供するわけだ。そうすることによって、せっかくのすぐれた機能をユーザー企業が活用できないという課題を解決し、販売パートナーが、「WFO」を売りやすくなる環境をつくる。
「WFO」の専用コンサルタントを務めるのは、アバイアプロフェッショナルサービス部の李浩己シニア・コンサルタント・エンジニアだ。李氏は、数人で構成する全社のコンサルタントチームと連携するかたちで、「WFO」コンサルティングサービスの指揮を執っている。「コンサルティングは、1回で終わるわけではなく、順次、アップグレードするので、継続的にユーザー企業とパイプをつくるための有効なツールになる」としている。
日本アバイアがコンサルティングサービスの提供を通じてCC向けのソリューション展開に注力するのは、この市場が成長する見込みがあるからだ。同社は、調査会社フロスト&サリバンのリサーチに基づいて、CC市場は2017年まで、平均成長率5.8%で拡大するとみている。さらに、経営改善を図ったデータ収集・分析の需要が高まることを受け、「WFO」については、向こう5年で2ケタの成長を見込んでいるという。
日本のCCはグローバル化が進んでおり、今後は外国語にも対応するニーズが生まれるなど、データの複雑化に対応する重要性が高まっている。そんな状況にあって、CCの運営側では、コンサルティングサービスへの需要が拡大するのは必至だ。李シニア・コンサルタント・エンジニアは、市場環境が好調であるとみて、「2012年に、『WFO』を約30社に納入する」ことを目標に掲げている。(ゼンフ ミシャ)