その他
F5ネットワークスの新しい販売戦略 「セキュリティ」を切り口に“売りネタ”を増やす
2012/03/15 21:07
週刊BCN 2012年03月12日vol.1423掲載
ネットワーク(NW)でトラフィックの負荷分散を行うロードバランサ。その大手メーカーであるF5ネットワークスは、販売戦略の新展開に取り組んでいる。同社のロードバランサがNWファイアウォール機能を備えていることを前面に押し出し、ロードバランサを「セキュリティ製品」として提案するというのだ。
F5ネットワークスは、高性能ロードバランサとして「BIG-IP」の製品群をもっており、大企業やデータセンター(DC)といったハイエンド市場を得意としている。複数の調査会社が、ロードバランサ市場で、F5ネットワークスはグローバル、日本ともに約40~50%のシェアを握っているとみる。シェアが高い理由として、「BIG-IP」はロードバランサ機能とNWファイアウォールなどのセキュリティ機能を1台の機器に統合しており、製品面での優位性をもっていることを挙げている。同社は、セキュリティ機能を統合するという、従来の強みを「BIG-IP」の提案活動にフルに生かしていく構えだ。
同社の新しい販売戦略には二つの柱がある。その一つは、ユーザー企業の既存のファイアウォール製品を、「BIG-IP」に置き換えること。二つ目は、ロードバランサとしての提案では導入に至らなかった企業に再度アプローチして、セキュリティを守るファイアウォール製品であることを切り口にして受注を狙うというやり方だ。「BIG-IP」製品群は、このほどセキュリティ製品の認定を行う米ICSA Labsから、NWファイアウォールとしての認証を取得した。F5ネットワークスは、認証取得によってセキュリティ製品としての機能を明確にし、ハイタッチ営業あるいは販売パートナー経由で、提案活動を本格化していこうとしている。
F5ネットワークスの新しい戦略をひと言でまとめれば、「販売パートナーにとっての“売りネタ”を増やす」ということになる。要するに、製品自体が変わるのではなく、売り方が変わってくるというわけだ。とくに、高いセキュリティを求める大企業や官公庁に着眼して、新戦略による事業拡大に大きな期待を寄せているという。
F5ネットワークスが今のタイミングで販売戦略の刷新に踏み切った背景には、ネットワークトラフィックの急増で負荷分散に対する需要が高まっており、A10ネットワークスなどの競合が存在感を増しているという事情がある。F5ネットワークスは、ロードバランサのメーカーとしてシェア首位を維持するために、「セキュリティメーカー」としての認知度を高めようとしているのだ。
F5ネットワークスは、製品にではなく、販売戦略にテコ入れを行った。このような工夫は、厳しい市場環境下で事業拡大に取り組んでいるハードメーカーにとって、一つのロールモデルになる。(ゼンフ ミシャ)
ネットワーク(NW)でトラフィックの負荷分散を行うロードバランサ。その大手メーカーであるF5ネットワークスは、販売戦略の新展開に取り組んでいる。同社のロードバランサがNWファイアウォール機能を備えていることを前面に押し出し、ロードバランサを「セキュリティ製品」として提案するというのだ。
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