デルおよびEMCジャパンは10月19日、国内の顧客やパートナーを対象にした年次イベント「Dell Technologies Forum 2018」を開催し、米デルテクノロジーズのマイケル・デル会長兼CEOが基調講演に登壇した。デル会長は、企業が変革に取り組まなければいけない領域として、「デジタル」「IT」「ワークフォース(働き方)」「セキュリティー」の四つを挙げ、これらの中でもデジタル変革が最も重要になるとした。

マイケル・デル
会長兼CEO

 大量のデータが生み出され、それらがディープラーニングなどのテクノロジーに組み合わせられることで、新たな使い方が提案されている。デル会長は、ここで重要なのはテクノロジーそのものよりも、得られた結果をどのようにビジネスに活用するか、データを使っていかに製品やサービスを改善していくかであり、企業にとってのデジタル戦略はIT部門にとどまるものでなく、経営戦略に直結するものであると指摘した。

 日本企業はITに関して保守的とみられることも多いが、ここ数年は多くの企業が働き方改革に取り組んでいるほか、政策面でもデジタル変革を後押しする動きがあることから、デル会長は「やっと目覚めてきた。“新しい日本”が台頭してきた」と評価。日本市場における同社のビジネスは2桁成長を継続しているといい、今後企業でのデジタル変革が加速すれば、一層の事業規模拡大の可能性があるとした。デルおよびEMCジャパンが日本の大規模・中規模企業を対象に行った調査では、「5年以内に、破壊的イノベーションを起こす側になる」と回答した企業が26%に上ったという。

 デル会長のスピーチの中では、IT市場の動向に関して「振り子が一元化から分散化、そしてまた一元化へと振れる」という指摘があった。この「振り子」という表現は、同日記者会見を行ったマーケティング責任者のアリソン・デューCMOも用いている。ビッグデータやIoTの活用で、「オンプレミスかクラウドか」「パブリックかプライベートか」といった議論があるように、テクノロジーのトレンドは二つの極みの間で揺れ動く傾向がある。しかし、ほとんどの場合でどちらかだけが正解ということはなく、用途に応じて使い分け、全体としてはそれらを組み合わせながら運用していくことが多い。最近ではパブリッククラウド大手も、囲い込み戦略よりもハイブリッド型のアーキテクチャーを前面に出すことが増えてきた。

 デル会長もこの日、同社傘下の製品やサービスはエッジからクラウドまで全ての領域をカバーしており、マルチクラウドのサポートも推進している点を改めて強調。デル、Dell EMC、VMware、Pivotalなどのブランドを擁し、ITインフラベンダーとして広範なビジネスを展開する同社の戦略は、振り子が揺れ動く中で、従前よりメインストリームの位置にあることをアピールした。(日高 彰)